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あおいとICカードを巡る旅

PASPY

2018.12.23 01:30

場所:広島バスセンター きっぷうりば PASPY定期券うりば

手段:窓口担当者より購入

広島エリアのPASPY運営協議会に参加する7社局が発行するハウスICカード。サービス開始は2008年1月26日。2008年3月1日よりICOCAの片利用を開始、2018年3月17日より交通系ICカード全国相互利用サービスの片利用を開始しました。


名前の由来はPASS(乗車券)+HAPPY(幸せ)から成る造語であり、速く快適に移動するSPEEDYという意味も込められています。イメージキャラクターは中国山地からこっそり降りてきたスパイのツキノワグマで、交通系ICカードのキャラクターとしては珍しく「くまぴー」という名前がきちんと決められています。スパイという設定まで作りこんだ理由はよくわかりませんが。


広島エリアで共通利用されていた磁気カードシステムの老朽化に伴い、後継としてPASPYが開発されることになりました。広島エリアの9社局(広島電鉄・広島交通・備北交通・広島高速交通・芸陽バス・鞆鉄道・広島バス・中国JRバス・呉市交通局)を中心に導入を決定。遅れて参加した中国バスを加えた10社局でPASPY運営協議会を構成し、PASPYを発行しています。ICカード導入を巡って足並みが乱れまくったお隣の岡山とは対照的です。


PASMOやPiTaPaのように、複数の事業者間で統一されたICカードを発行する例はよくあります。しかしPASPYが珍しいのは参加する事業者がそれぞれ独自にPASPYを発行している点です。各事業者のシンボルカラーを用いた10色のデザインが存在し、裏面に記載された事業者記号も10社局それぞれのものとなっています。デザインまでバラけているのはPASPYぐらいでしょうか。

広島電鉄は主に路面電車と路線バスを運行する事業者です。シンボルカラーは黄緑色で、事業者記号はHIです。裏面を見ると、確かに広島電鉄の名前があります。

広島交通は路線バスを運行する事業者です。シンボルカラーは橙色で、事業者記号はHCです。

アストラムラインこと広島高速交通は新交通システム「アストラムライン」を運行する第三セクター事業者です。シンボルカラーは黄色で、事業者記号はHRです。

トモテツバスこと鞆鉄道は路線バス・観光バスを運行する事業者です。社名が示す通り1954年までは鉄道路線を保有していましたが、現在はバス専業となっています。シンボルカラーは薄緑色で、事業者記号はTDです。薄緑というより空色といった方が良いでしょうか。

広島バスは路線バスを運行する事業者で、大株主である広島電鉄と関係の深い会社です。シンボルカラーは薄赤色で、事業者記号はHBです。

中国JRバスは路線バスを運行する事業者で、JR西日本の子会社です。シンボルカラーは青色で、事業者記号はCJです。

中国バスは路線バスを運行する事業者で、両備ホールディングスの子会社です。シンボルカラーは青緑色で、事業者記号はCBです。


現在入手できるのは上記7種のみで、備北交通・芸陽バス・呉市交通局の3種は新規購入ができません。備北交通は2014年9月30日に自社発行を終了、芸陽バスは2014年10月31日に自社発行を終了しました(以降、この2社は広島電鉄バージョンを発行)。呉市交通局は広島電鉄へ事業を譲渡したため2012年3月31日に新規発行を終了しました。この3社局の色と事業者記号は、備北交通が空色でBK、芸陽バスが藍色でGB、呉市交通局が紫色でKUだったそうです。

事業者ごとに7種あるPASPYは見ていて楽しいですが、集めるとなると一苦労。7社のうち2社はお隣の福山が拠点ですしね。と思いきや、アストラムラインを除く6社分は、広島バスセンターで一括購入できる罠。上記のように、広島バスセンターにはまとめ買いができる旨を知らせるポスターが張ってありました。


もっと早く言ってよー。公式サイトのどこにも書いてないし、新幹線で福山まで行った後に気付きましたよ。痛恨の情報収集不足。なお、アストラムラインバージョンのPASPYは、アストラムラインの各駅にある自動券売機で購入することができます。

気を取り直して、広島バスセンターを御案内。最寄り駅は広島電鉄本線の紙屋町西電停です。電停の目の前にある「そごう広島店」が目印です。広島バスセンターはそごう広島店と同じビルに同居しており、東の外側1Fに広島バスセンターの入口があります。ただし案内板には「バスのりば」としか書かれていない点に注意。

入口にあるエスカレーターで一気に3Fまで上がります。上がったところ左側には「バスマチフードホール」というオシャレで綺麗な飲食スペースがあります。7店舗もありメニューも色々。コンセント席もあり、長旅の疲れを癒すにはうってつけです。

目的はPASPYなのでバスマチには入らず、そのまま奥へ進みます。すると、左側に「キップ売場」が見えて来るので、中へ入ります。

窓口がL字に並んでいますが、PASPYを購入できる窓口は真正面にある1番と2番です。早速窓口に近づくと、カーテンは閉じられ、横には業務終了を告げる案内の文字が。よく読むと、平日は7:30からですが、土休日は10:30から。その発想はなかったわ。1時間ほど待ちぼうけをくらうハメになりました。

こういう時に頼れる隣のバスマチで時間を潰し、10:30ちょっと前に再び窓口へ。カーテンはまだ閉まっていましたが、番号札発券機は稼働していました。PASPYを購入するには、まず最初に番号札を取らなければなりません。上記写真の左下にある発券機のタッチパネルでPASPY購入を選択して、番号札を発券してもらいます。

番号札発券機の隣に気になる注意書きが。番号札を取る前に申込用紙を記入するように、と書いてあります。Tsukicaの前例があるので、無記名でも必要なのか?と申込用紙を手にとって確認してみましたが、結局のところ申込用紙への記入は不要。申込用紙が必要なのは記名式と定期券のみでした。


自分の番号札が呼ばれてから窓口へ向かいます。銀行の順番待ちシステムと同じ方式ですね。そこで窓口担当者の方へ「無記名のPASPYをください」と伝えればOKです。欲しい色に合わせて「何番のPASPYが欲しい」と伝えましょう。このとき窓口担当者の方から、番号札を渡すように言われ、番号札は回収されてしまいます。いきなり窓口へ突撃しても、おそらく返り討ちにされるので、番号札を持って順序を守りましょう。