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築100年の町家で暮らす

伝統技法の土壁

2019.01.01 00:53

みなさん新年明けましておめでとうございます。

去年は、バタバタといろんな事がありましたが、その分いろんな方と

出会えた濃厚な1年だったとつくずく感じています。

去年、お世話になった皆様並びにブログを見て下さった方々大変ありがとうございました。

今年も去年以上にバタバタしそうですが、これまで同様に宜しくお願い致します。

さて、家の進捗ですが、内壁の仕上げも一部を残し、仕上がって参りました。

仕上げたばかりのダイニングの内壁

熟練の技によって平滑に仕上げられた土壁。

仕上げたばかりの土壁は艶やかで光沢がありとても綺麗です。

最終的な出来栄えは、凹凸や細かいヒビが入るように

要望しているので乾燥後にどんな仕掛けがしてあるのか楽しみです。

全国や世界で活躍する超1流の左官さん

昔から伝わる本物の土壁が仕上がるには、下塗り、中塗りと

幾つかの工程を経て完成します。

何層にも分けて仕上がる土壁だからこそ、

厚みや深みを感じる事ができ、それを仕上げて行くには

その時の温度や湿度に合わせ調合する、下ごしらえが重要なのと、

毎回違う環境でも塗れる匠の技術と多くの経験を要すると感じました。

これらの伝統的な技法で出来上がる本物の土壁には、当然ながら

多くの時間がかかり、それを補うには多くの職人が必要となります。

塗るまでの時間やその時の環境に合わせて調合された土

現在の一般的な左官は、糊や有機系の繋ぎを多く添加した材料を

使用する為、誰でも簡単に早く塗る事ができるそうです。

その結果、人件費や工期などのコストダウンに繋がるので

現在の主流となっているようですが、

そうやってインスタントに出来上がった壁は、あくまで「風」であり、

天然の自然な風合いや厚みを感じる事がない、

いわゆる「ペラい」仕上がりとなるようです。

伝統的な技法で出来上がる土壁とは似て非なるものですね。

「左官の清水」

見事な鏝さばきで瞬く間に土の表情が変化していく様に見惚れてしまいます。

また最終的な仕上げは、光を当てながら想像していた以上に丁寧に行われました。

今回、我が家がお世話になったのは、米子市を拠点に全国で活動されている

左官の清水さんです。

何度か工房にもお邪魔して相談に乗って頂いていた超一流の左官さんです。

また、清水さんの繋がりで全国各地で活躍されている左官さんが集まり、

更には、なんとビッグサプライズ。この年末の悪天候にも関わらず、

応援という形で清水さんの師匠にも駆けつけて頂きました。

清水さんの師匠は建築界では知らない人はいない有名な方で、

「プロフェッシュナル」や「情熱大陸」にも出演された事がある凄い方です。

そんな方にあろう事か我が家の壁を塗って頂けるなんて感無量でした。

お仕事中にお邪魔し手を止めたのにも関わらず、気さくにお話しをして頂き、

貴重な体験談や土壁の性質などを分かりやすく教えて頂きました。

職人やアーティストとしてだけでなく、人間力も素晴らしい方だと強く感じました。

私はこれからこの土壁を毎日眺めながら、

家族と会話し、ご飯を食べ、お酒を飲み、生活する事でしょう。

なんて幸せな事なんだ。

左官さんとは素敵な職業ですね。