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マヤ

三代目❤夢小説 『NAOTO編37』

2019.01.02 23:00

アスファルトからすぐに砂地の小道に入った。



左右にある背の低い草むらにはハブが潜んでいることがあるから近寄らないように…とまりあの父が忠告してくれた。



ビーチへ向かってゆっくり歩きながら考えを巡らせる。





昨日遅くに沖縄本島に着き、ビジネスホテルにチェックインしてからずっとまりあに連絡をしているが繋がらなかった。



彼がスマホを取り上げてるかもしれない。



渡嘉敷に渡るフェリーの時間まで、まだ半日ある。



こうしている間にも、まりあが婚約者からDVを受けているかもしれない。



国際通りのネオンを窓越しに見つめながら、まりあの無事をひたすら祈った。





実家の宿には碧の姿もなく、まりあの両親の様子もいたって平静で、流石に婚約者の実家で暴力を振るう事もないだろうと自分に言い聞かせた。



小道を抜けると、フェリーが着いた港よりも更に美しい色彩の海が目に飛び込んできた。



「うわ…」



抜けるような青空の下、遠浅で静かな波打ち際は白い砂で覆われ、歩くとキュッと音がする。



ケラマブルーと称される透明度の高い海の中に、無数の珊瑚礁が透けて見える。



左右を見渡すと、左側はどこまでも白い砂浜が続いていて、遠くに小さな山がある。



右側を見ると砂浜の向こうに不思議な形をした岩が見えた。



何人かシュノーケリングをしている人達がいるが、まりあの姿は見当たらない。



直人は引き寄せられるように右側にある岩の方へ歩みを進めた。



半パンのポケットからiPhoneを取り出し、まりあに電話してみるが、やはり繋がらない。



岩までたどり着き手をかけた瞬間、微かに女性のすすり泣く声が聞こえた。



大きな岩の間の砂浜に、まりあが膝を抱え体育座りをしている。



「まりあちゃん…やっと見つけた」



「直人さん…嘘」



大きな瞳からこぼれ落ちる涙を見て、無意識に体が動いた。



直人はまりあの隣に膝をついて、小さな肩を優しく抱き寄せた。




つづく