札幌・清田区の7病院 バスで結び「総合病院」に 21日から運行
2024年8月13日 19:14(8月14日 14:10更新)
札幌美しが丘脳神経外科病院など札幌市清田区にある民間の計7病院は21日から、各病院間を走る無料送迎バスを運行する。患者とその家族が利用可能。JRや地下鉄の駅がない清田区では複数の医療機関を1日で受診するのが困難な市民もいるため、病院間の行き来を容易にする。7病院は来年1月末までの実証実験で利便性などを確かめる。
参加するのはほかに、真栄病院、札幌清田病院、札幌清田整形外科病院、札幌整形循環器病院、北野病院、美しが丘病院。区内に総合病院はないが、7病院には内科や消化器外科、リハビリテーション科など19診療科がそろう。直線距離で最大3.7キロ離れている病院間をバスでつなげて「総合病院化」したい考え。
バス運行は、はこだて未来大発のベンチャー「未来シェア」(函館)による人工知能(AI)配車システムを活用。患者らが専用アプリで今いる病院と次に向かう病院を入力すると、効率的な運行ルートを割り出す。10人乗り程度のワゴン車を使う。実証実験中に市営地下鉄東豊線福住駅(豊平区)と東西線大谷地駅(厚別区)などを結ぶルートも作り、利用者の意見を聴く。道保健福祉部によると、「複数の病院を無料バスで結ぶ取り組みは道内で聞いたことがない」という。
事業費は1600万円。地域公共交通の維持・活性化を目的とした国土交通省の補助事業「共創・MaaS実証プロジェクト」の1千万円を受け、残りは病院側が負担する。事業計画を進めてきた、札幌美しが丘脳神経外科病院の高橋明理事長は「他病院と連携を深めて、利用者の不便を解消していきたい」と話す。
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