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元美浦トラックマンの競馬血統ブログ

【血統注目馬】関東馬10選~前編~ キャロットクラブ 2024年度募集

2024.08.21 11:12

本ブログを多くの方に読んでいただいているようで、嬉しい言葉もかけていただきありがとうございます。今年は関東・関西から配合的に注目している馬を各10頭に厳選しました。
血統に少しでも興味をもっていただき、馬選びの参考になれば幸いです。
血統アドバイザーのお仕事もお待ちしております。


5. アールブリュットの23

募集価格8000万円 牡 木村厩舎 新冠橋本牧場生産 4/9生まれ
体高156.5cm 胸囲170.5cm 管囲19.3cm 馬体重441kg
父キズナ 母父Makfi

Green Desert+Sadler’s Wellsの血を持つキズナ産駒は現2歳馬を除き、全4頭勝ち上がり。全兄パラレルヴィジョン、バスラットレオン、スパイラルノヴァ、イティネラートルと4頭とも上級条件で活躍するニックス配合。

木村厩舎×キズナ産駒は4/5頭勝ち上がり、ファインルージュが活躍と相性も良い。生産牧場がノーザンFから新冠橋本牧場に変わっており、全兄パラレルヴィジョンと比較すると心許ないが、配合的には堅実に走ってきそう。


6. ウラヌスチャームの23

募集価格5000万円 牝 斎藤誠厩舎 ノーザンF生産 2/22生まれ
体高157.5cm 胸囲175.0cm 管囲19.8cm 馬体重475kg
父キズナ 母父ルーラーシップ

General Assemblyの血を持つキズナ産駒は2/3頭勝ち上がり、アサカラキング、シックスペンスが活躍。この2頭ともSir Ivorをいじる血を持っており、本馬はその点でも共通する。これはキズナ産駒の重要な配合ポイントであるStorm Catの血を効果的にいじっていることが要因だと考える。
また、父キズナ×母父ルーラーシップも3/4頭勝ち上がり、キリンジ、オールセインツが活躍。血統的な裏付けはなさそうだが、堅実に結果が出ている点は安心。

懸念点としては、アサカラキング、シックスペンスと比べると母方のスピード能力が明らかに不足している点だ。「母・祖母が短距離実績馬」のキズナ産駒は大物になりやすいことから、本馬はスケール感でやや課題が残る。


9. ラドラーダの23

募集価格1億円 牡 田中博厩舎 ノーザンF生産 1/10生まれ
体高154.0cm 胸囲179.0cm 管囲21.0cm 馬体重490kg
父サートゥルナーリア 母父シンボリクリスエス

サートゥルナーリアはNorthern Dancerが濃い父母相似クロスであるため、教科書的な観点では非Northern Dancerクロスの繁殖牝馬が合う。また、リオンディーズ、エピファネイアの傾向から、母父シンボリクリスエスはKris S.≒Habitatとなることでシーザリオのキレを増幅させる。配合の相性は抜群。
母ラドラーダはどんな種牡馬でも堅実に走る優秀な繁殖牝馬。牡馬は気性的な難しささえ乗り越えれば大物になる可能性十分。

田中博厩舎は牡馬>牝馬の傾向が非常に強く、ノーザンF関連クラブ牡馬の成績が優秀。ノーザンF意向で最上位厩舎の1つだ。種牡馬・繫殖牝馬のポテンシャル・配合ともに完璧、気性的な課題・母高齢だけが不安。


12. フェルミオンの23

募集価格3600万円 牝 森一誠厩舎 ノーザンF生産 4/9生まれ
体高150.5cm 胸囲175.5cm 管囲20.3cm 馬体重446kg
父サートゥルナーリア 母父アグネスタキオン

どんな種牡馬でも比較的堅実に走る優秀な繫殖牝馬。祖母パテントリークリアがTom Fool 4×4、母フェルミオンがRaja Baba 4×4を持ち、機動力を強く伝えるのが要因だ。Northern Dancerを持たない母フェルミオンに、Northern Dancerの濃いサートゥルナーリアを交配した綺麗な血統構成。

森一誠厩舎は本ブログで何度もお伝えした通り今後の活躍が約束された厩舎。母高齢で勢いに陰りが見え始めた点だけが不安。


15. シーリアの23

募集価格4400万円 牝 木村厩舎 ノーザンF生産 2/25生まれ
体高155.0cm 胸囲179.5cm 管囲20.1cm 馬体重485kg
父ドレフォン 母父キングカメハメハ

23年度産はドレフォン産駒の種付け料が300万円→700万円に高騰し、繁殖牝馬の質が非常に上がった世代。種牡馬ドレフォンは引き出し型種牡馬であることが初年度産駒の走りから分かり、「引き出し型種牡馬×良質な繁殖牝馬」を狙っていることが容易に想像がつく。育成方法も確立されつつあり、今までのドレフォン産駒とは違った活躍する可能性も十分。

本馬は、父ドレフォン×母父キングカメハメハともに引き出し型種牡馬であることから、シーザリオの良さが出そうな血統構成。父×母父の組み合わせで結果が出ているのは引き出し型種牡馬というのが要因であり、牝系が優秀な本馬なら堅実に走ってくるだろう。

シーザリオの牝系は気性の影響から牡馬>牝馬の傾向が強い。牝馬はAureole魂の揉まれ弱さが出やすく、大物感に欠ける点が気になる。アワブラとして非常に魅力な血統なので、堅実に走って繁殖牝馬狙いで出資したくなる1頭。


関東馬(後編)につづく