挨拶
フランスでは
まず「ボンジュ~」とか「ボンソワ~」と
言葉を掛け合い近付く
初対面なら握手を交わすこともあるが
通常は頬っぺたと頬っぺたをくっ付けて
「チュッ」って音を立てる
向かって右側→左側に1回ずつ
地域によっては、これを2セット3セットと
やるところもある
これをビズと言う
フランスでは誰に対しても
ビズをするのが普通
親子、男女、女性同士、男性同士
子ども同士、兄弟姉妹
高齢者同士、高齢者と子ども
当然、年老いた母親に年老いた息子
自分の旦那さんとお隣の奥さん
自分の彼女と男友達
あらゆる組み合わせで行われる
単なる挨拶
日本人には全く馴染みのない行為
家族ならまだしも
満員電車の見ず知らずの人と
体が触れるだけでも
嫌というひとも多い
知らないオヤジの頬に「チュッ」なんて
できる?
普通に考えたら寒気がする
年老いた老人に小さい子どもが
抱き付いて「チュッ」なんてしたら
もう天国に逝ってしまうくらい
うれいかも
若い美女が、モテない男性が「チュッ」
なんてされたら勘違いしても当然
「チュッ」の意味が元々違うんだ
そんな日本人感覚の私から見て
ホームステイ先で
あらゆる関係性で行われるビズは
とても素敵なことだって知った
老若男女関係ないこともそうだし
朝のおはよう、行ってきます
お帰り、ただいま
おやすみ
1日に少なくとも、これだけ体に触れ合う
それももれなく全員に
子どもに至っては
眠くなってベッドに行く時
「ビズは?」と親が
そこにいる全員にするように教える
幼いころから、それが当たり前とされている
それに加えて
ありがとう、かわいいね、愛してるの
言葉と共にしょっちゅう抱きしめたり
チュッってする
愛情表現が上手いのではなく
それが自然の行為として
脈々と受け継がれてきた歴史がある
他人に大しては
日本の裸の付き合いみたいな
同じ釜の飯を食うみたいな
他人同士でも絆が深まる行為に
少し似てる部分もあって
ビズをすることで
距離が縮まるというのもある
ホームステイで
初めてフランス人と面と向かって
自然にできた
そのあとも沢山の老若男女と
何度も何度も交わした
これがあるのとないのとでは
彼らとの距離は違ってたと断言できる
日本に帰国して
真っ先に娘をフランスチックに抱きしめ
流石にビズは嫌がられるだろうけど
私なりに体に触れる機会を増やしたいって
思った
因みに
電話や、道端等で相手と距離があって
直接できない時は
なんと
「ビズ~!」って最後に言ってる
それだけ大事な欠かせない行為として
根付いてる