映画『それだけが、僕の世界』
元旦に行って来ました。
お正月にも映画、観れてうふふ。
元旦だからと思って行って忘れてたけど
1日だからファースディだったのよね。
ラッキーでしたん。
驚くほど、すっごく素敵でだたの兄妹映画じゃなかった。
『それだけが、僕の世界』
監督・脚本:チェ・ソンヒョン
出演:イ・ビョンホン/
パク・ジョンミン/
ユン・ヨジョン
ビョン様(友達が言ってた笑)久々ご出演。らしい。
イケメンは変わらずそういう面もやっぱ滲み出ちゃうかな、
なんて観る前に思ってた自分をぶん殴りたい。←
落ちぶれたボクサー。
1人の男。
家族愛に飢えて、母の愛に飢えて、
こびりついてるのに大人だから隠してて。
彼が知らなかった今の母と、初めて出会うサヴァン症候群の弟。
サヴァン症候群は自閉症て訳されてたな。
戸惑いから、徐々に彼の素が、家族にしか見せない顔が溶けだしてくる。
泣かせにかかってるぜ、
と思う場面もあったけど、
もう、本当、
それ以上のものがあって、
大号泣。
『ボヘミアン・ラプソディー』のラストのライブも
どえらい規模で、そら感動感激に胸が高まったし最高だった。
けど、個人的には、フレディの何を辿ればいいのかわからずで。
彼自身のことなのか、フレディとしてなのか、Queenとしてのフレディなのか、
Queenのことなのか。
あちこち盛りだくさんすぎて迷ってるうちに、
ラストがやってきちゃて。
おや、と戸惑いながら目の前のライブに「凄いなぁ」と思うだけになってしまった。
けど。
今回は、しっかりと、ビョン様演じるジョハを追うことが出来て。
彼の対する相手への表情の変わりようもまた、
その変化に胸が締め付けられる。
弟のオ・ジンテの演技力はとんでもなかったし。
でもあざといわけではなく。
ジンテはジンテとして、真っすぐ純粋だったから
兄からの視点もぶれなかった。
あくまで、兄が主役だった。
ジンテも主演を喰いそうなほどだったけど、
ちゃんと最後まで、ジンテは”見られる”対象だった。
だからジンテへ共感意識がいくこともなく。
ジョハも、母も、これを観てる客席でも、
ジンテを見る、ことが共通していたのが大きかったのかも。
だから最後、
見事な演奏シーンで、涙が溢れてきた。
泣けたって日本語じゃなくて、
溢れてきた。
怒涛のように勝手に、止まらず。
それまでには、兄の、家族に対してのかさぶたが描かれていたり。
徐々にほどけてゆく弟との関係が、なんとも愛らしくて愛おしくて。
2人にやり取りを中心に、意外と笑えるシーンが多いのよ。
何度吹いて笑ったか。笑)
うまいんだなぁ、面白いんだなぁ。
『真白の恋』で脚本を担当した北川亜矢子さんの
トークショーを聞いた時、
「障害者である弟が、障碍者をブラックジョークにしてくるんで家族で爆笑してます、笑」
なんてエピソードをお話しされてたな、と思い出したり。
本当、ジンテが、一生懸命で。笑
ビョン様が振り回されるのがおかしくって。笑
また、ふと気づいたのが、出演してる”母親”が、
全員シングルマザー、ということにも脚本の意味があるなと。
兄妹の話だけではなく、まぎれもなく”家族”、
そして”母と子供”の話だった。
それが後半にかけて流れが変わってきて。
父と再会した時のジョハに、やられた。
1番好きで胸を鷲掴みにされた表情と言葉。
許せなかったのは、目の前の父でも、置いていった母、
でもなく、
自分自身だったのか、と。
息子らしく、小さいながら、守りたかったのだろうな、と。
私の周りには、シングルマザーの家庭も、離婚・再婚、
少し複雑な家族が多くって。
小中と当たり前のようにいたし関わったり聞いてたから
ジョハが身近にも感じてしまった。
今の時代はもっと多いのかな。
本当、片親とか再婚相手の子供が弟妹、とか、
普通だったんだよなぁ。
「親がいないから、」なんて言ってる人見ると
素で「???」が浮かんでしまう私。笑)
爆発もしないしCGもないし魔法も近未来的なことも一切ない。
けど、なんと分厚く、見応えのある時間だったんだろうな。
ジンテのピアノ演奏は吹替え無し。
ガッツリピアノごと全身が映り、そこにいたのは俳優のパク・ジョンミンではなく、
オ・ジンテだったよ。
彼が撮影に入る前には楽譜も読めなかったとは
誰が思っただろうに。
ピアニストが抜擢されたのかと思った。
韓国のレベルと意気込みの高さに脱帽。
新年早々、2019年のベストがきてしまったかもしれないよ。早)
まだ1本目だのに。
笑ったし号泣したし。
素敵な時間だったぁ。
Podcastのお題映画だったので、話すのが楽しみで仕方ないす。