『ラストレースへの想い』加藤 瑞葵

【ラストレースへの想い】

9月4日（水）～8日 （日）に全日本大学ローイング選手権大会が開催されます。熱いご声援をよろしくお願いいたします。4年生全員がレースへの想いを綴りましたので、紹介していきます。

今回の担当は、加藤 瑞葵（スポ4・相馬＝福島）です。

是非、ご一読ください。

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この4年間で学んだことは何かと聞かれれば、「期待しないことの大切さ」と答えるだろう。

多くの時間を費やし考え抜いた選択が間違っていたこと、大切なものを犠牲にしてまで貫いた努力が報われなかったこと、これしかないと信じていたものに裏切られたこと。これらのネガティブな経験から、周りに、そして自分にも期待をしない方が楽だということを学んだ。

それでも自分には、活躍を期待してやまない同期の存在があった。

入寮2日目の夜、夕飯帰りのコンビニで「インカレの金メダルが欲しい」という話をした。それに対し、「俺たちが獲ってかけてやるよ」と言ってくれたある同期の言葉を、その約束だけを信じて今日までもがき続けてきた。

中途半端な仕事をしていては同期に合わせる顔がないと自分を奮い立たせ、誰に見られるわけでもないがプライドを持って取り組んできたつもりである。

インカレの金メダルのためなら、自分じゃ進んでとらない選択も、好きなことやりたいことを犠牲にすることも厭わない。それくらい、大きな目標に向かって努力した過程が報われた「結果」には「意味」があると思っている。

自分がこのローイング競技で大成するには人生が何回あっても足りないと感じるからこそ、せめて日本一に向かって努力するチームの一員になりたいと強く願った。

漕艇部に大学生活を捧げる中で多くを犠牲にし、家族をはじめとする沢山の人に迷惑をかけたことだろう。

どうしようもない自分の面倒を見てくれたトレーナーの先輩方、優しく迎え入れてくれたマネージャーの先輩方、自分のいない間も早稲田を引っ張ってくれた同期のマネージャー、苦しい時間も楽しい時間も共有できた学連の同期と優秀な後輩たち、そしていつも自分を奮い立たせてくれた選手のみんな。

柄にもないが心からの感謝をここで示したい。

同期の選手が誰一人欠けることなく最後のレースに臨める幸せを今噛み締めている。

この事実が期待していた「結果」であり、4年間の活動に「意味」をもたらしてくれる。

早稲田の活躍を期待しながら、自分も最後の大仕事に出掛けてきます。

誰かのためにやると決めた自分のために。