安定した人間関係
こんにちは、
精神科医の諸藤えみりです。
外来で患者さんから
相談を受けました。
「安定した人間関係を築くには
どうしたらいいですか?」
安定した人間関係を築くには
まず自分を知ることです。
なぜなら
自分が分からないのに、
他人のことなんて
もっと分からないからです。
自分を知るということは、
自分は何が好きなのか
苦手なのか
自分が何をされたら喜ぶのか
嫌なのか
などが分かるということです。
分かるから
相手の気持ちも思いやれる。
こうしたら相手は喜んでくれるかな?
これをされたら嫌だろうな。
が分かる。
自分を知るには
まず安心しないといけません。
不安や恐怖でパニックの状態だと
冷静に考えられません。
まず落ち着く。
安心する。
人と関わるのはそれからです。
私はよく人の状態を
スマホの充電量に例えます。
たとえば
今の自分はパニックで
20 %しか充電がないとします。
その状態で
人と関わろうとするとどうなるか。
充電が20 %しかないから
相手から充電をもらおうとします。
「ちょうだいちょうだい」
の関係性になる。
相手は充電をくれます。
少しは満たされるけれど、
自分で充電できないので
すぐに減ります。
また「ちょうだい」になる。
自分は減るから与えたくない。
もらってばかり。
繰り返されると
相手の充電量は減ります。
相手が与えられなくなると
関係性は終わり。
空虚で脆く、
奪い合いの関係性です。
私も昔
寂しさから人と交流していました。
1人は寂しい。
誰でもいいから
この寂しさを埋めてほしい。
「充電をちょうだい。」
と近づく。
でも関係性はすぐに破綻する。
氷の上を歩いているようでした。
恩師に言われました。
「あのね、
寂しいから一緒にいるんじゃないの。
相手のことを好きだから
一緒にいるんだよ。」
そのときの私は分からなかった。
自分が欠けているのにも
気づかなかった。
今なら分かる。
相手のことは好きじゃなかった。
私は好きじゃないのに、
相手はどうやったら
私のことを
好きになってくれるのだろう
とばかり考えていた。
相手のことは
これっぽっちも分からなかった。
それ以上に
自分のことも分からなかった。
今この瞬間だけ
淋しさを紛らわせれればよかった。
一緒にいてくれる人を探せば探すほど
私は傷だらけになった。
ここでポイントなのは
充電の量で
人間関係が決まるということです。
過去の私が出会う方々は
私と同じように
充電量が少なかったです。
淋しさを抱えていました。
安定した人間関係を築くには
相手から充電をもらうのではなく、
まず自分で
充電することが大切です。
さもないと
奪い合う関係性になるからです。
確実に充電するには
朝起きる。
カーテンを開けて
太陽の光を浴びる。
ご飯を食べる。
タンパク質を摂る。
ゆっくり過ごす。
入浴する。
夜更かしせず寝る。
をします。
これが基本。
基本ができたら
次は「楽しむ」。
充電には
心の満足感が必要です。
「楽しむ」ことを考えます。
自分が楽しいと感じることは
何なのか。
どうすれば自分は
喜びを感じるのか。
自分を知らないと
充電できません。
なので
自分を知ることが
大前提ですよとお話ししています。
自分で充電できるようになると
相手からもらう必要がありません。
むしろ自分から与えられます。
人に優しくできる。
多少ロスしても
また充電できるからです。
この状態になると
周りも
与えれる人たちばかりになり、
安定した人間関係を築けます。
淋しいから一緒にいるはずなのに
余計に孤独を感じる。
充電がゼロになり、
人生に行き詰って
私は自分を知ろうとした。
それまでは
外側の何か、
人やお金や仕事や持ち物が
私を満たしてくれるのだと
思ってた。
そうじゃなかった。
結局は自分だった。
自分が喜ぶことをする。
私が私に
1番最初に話しかけた言葉は
「今日、何食べたい?
何を食べたら私は喜ぶ?」
だった。