鍛冶の会 不定期報告 8月
8月24(土)次大夫掘り民家園にて『昔の農村体験』が開催されました。
我々鍛冶の会のほかにはそばの会と木挽きの会も参加していました。
鍛冶の会では小学生以下を対象に鍛冶屋の疑似体験を提供しました。
赤く熱した鉄のフラットバーを叩いてもらい、硬い鉄でも赤めれば変形することを学んでもらいました。
はじめは叩けば変形する鉄も、徐々に赤みが薄れ少しづつ変形しにくくなり、やがては赤みもなくなり叩いても変形しなくなります。その鉄を今度はバケツの水につけて見せます。
赤くはありませんが500℃はあるはずですから水は盛大に音を立てて沸騰します。
そしてすっかり常温になった鉄を再度叩いてもらいます。先ほどは変形した鉄もカンカンと音はしますが全く変形しません。
鉄は熱を与えれば形を変えることができると体験を通して学んでいただきました。
そして鉄は釘や包丁、鉈、鎌などに姿を変えて生活の役に立っていた事を説明させていただきました。
真夏に開催のワークショップですから参加者も僅か4組と寂しいイベントではありました。我々鍛冶の会は制限の多い中でアイデアを出し合いながら最大限に協力しましたので、次回以降は対象年齢や開催時期の見直しがあれば良いなと個人的には思っています。
さて、当日はよしずを張って日陰を作り、業務用の扇風機を回しても気温は40℃手前です。
お子さんや親御さんには過酷な暑さです。
来園者もない午後は、
小振りな包丁を火造りする人。
重房の包丁から型紙を起こしても同じようには行かないんだからと最古参が嘆いていましたがなんとなく解ります。刃のラインと峰のラインの組み合わせは無限にありますから、正解にたどり着くにはある程度理論が必要に思いますが、制作者である最古参は私が見ても十分以上に形の良いものを造っています。
きっと目が肥えて自身の要求が厳しくなっているのだと私は思っています。
こちらは火造りした鎌を灰ナマシする人。
こちらも最古参の一人、私が見るといつも鎌を造っています。個人的には鎌を造ることに魅力を感じませんが、この先輩は真摯にそして真剣に鎌と向き合っています。
鎌だけではなく鍛冶技術の一つ一つに真剣に向き合っていますので、私の様に横着でせっかちな人間からしますと取り組み方そのものに尊敬してしまいます。
こちらは鉄で皿?でしょうかクラフト作業をする人。
鍛冶の会は様々な人がいますので、それぞれ取り組んでいる作品を見るのも楽しいのです。
切れ味を追求する刃物ガチ勢やクラフト向きの人、実用一辺倒な人など様々な趣味趣向がそれぞれの作品に現れます。
これらの作品は11月23日勤労感謝の日に販売されます。
以上鍛冶の会広報 庭竹でした。