Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

テマヒマ

幸福

2019.01.03 22:00

おはようございます。


暮らし、味わう。

食を通して豊かなライフスタイルを提案する

古民家カフェ&セレクトショップ テマヒマ

プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


年始見たTV番組の中でユヴァル・ノア・ハラ

リ氏の「サピエンス全史」「ホモ・デウス」

をもとにした“衝撃の書”が語る人類の未来 が

あまりに興味深く録画してたのを3度も観まし

た(3度目はこのブログを書くためにですが笑)。


柳宗悦の民藝運動やウィリアム・モリスのア

ーツアンドクラフツ運動が当時の工業化とい

う社会変化を背景にしていて民藝が今何度目

かのブームを迎えているのには、それを上回

る社会変化、デジタル化、情報化が背景にあ

るのでは?といったことを以前テマヒマブロ

グで書きました。

これまでのホモ・サピエンスの歴史、それを

踏まえてのこれからの近未来予想をハラリ氏

は語っているのですが(本来原著を読むべき

かとは思いますが今回のブログは番組の内容

をもとに構成します)いつもの我田引水的き

らいはありつつやはりこの変化への不安、反

動が民藝や発酵「的なもの」へのブームにつ

ながっていると思った次第です。

(ブームではない、根源的なものでは?とさえ思っていますが)

※以下これから原著を読まれる方、この番組

  を見られる方にはネタバレになります。


ホモ・サピエンスがこれほどまでに栄えるよ

うになった背景に「フィクションを信じる

力」(それによる集団の力)があったとした

上で歴史を認知革命、農業革命、人類の統一

という3段階に分けて考えています。

白眉だったのは農業革命により富がもたらさ

れたというのは支配者側の視点であり、実際

には労働時間は伸び、飢餓が発生し、貧富の

差が発生したと断じています。穀物によって

ヒトが栄えたのではなくヒトが家畜化して穀

物が広がったと。

ハラリ氏は歴史を読む解く上で(歴史に限ら

ないと思いますが)多様な視点を持つことの

重要性を述べていてまた現代の問題はグロー

バルな問題なのだからグローバルな視点で歴

史を見る必要性を主張していました。

小さな単純な文化が巨大な複雑な文明に統合

されていく過程で秩序を保つのにルールは複

雑化した。秩序を保つにはフィクションを信

じる力を前提に宗教、貨幣、信用(クレジッ

ト)特に経済成長を前提とした資本主義は帝

国主義と結びついて人類の統一に寄与しまし

た。天地創造の物語はハリーポッターのよう

なもの、神はポケモンのようだという喩えは

分かりやすく面白いです。


というこれまでのホモサピエンスの歴史を踏

まえつつ、生物工学(ゲノム編集)、人体拡

張機能、AI(人工知能)がこれからを占うキー

ワードとなるとしています。

遺伝子書き換えにより人間は神の領域に踏み

込んでいて、脳とコンピューターをつなぐ・

融合することによりホモ・サピエンスはホ

モ・デウスにアップグレードしヒトの間にホ

モ・デウスと無用者階級に格差が生まれると予想しています。

人は知能(問題解決)と意識(喜怒哀楽)か

ら判断する生き物ですが(右脳と左脳のよう

な話はテマヒマブログ算盤・正解の回でも書

きました)AIは知能だけであり、当初ヒト

の判断を助けるもの効率化するものだったも

のが、アルゴリズムに自分を委ねるうちに人

間としての価値を失う、データへと落ちぶれ

ると悲観的です。

近い将来人間が人間らしさを失う可能性があ

状況に瀕して、人間が人間らしくあること

求めての回帰ではないか?という僕の仮説です。


いつにも増して小難しく長い内容になってま

すが、最後にハラリ氏は人間はどうあるべき

か?という問いに対して、

・自分の内なる考えを理解することに時間を使うべき

・テクノロジーを追うだけでなく現状に満足すること

を挙げていました。

意識や感性を大切にすること、足るを知るということ。


ハラリ氏の歴史を見る眼差しは、先の農業革

命の分析もそうですが、ヒトは本当に幸福に

なったのか?という哲学的なところがテーマ

なっています。残念ながらAIに代表される

(それが行き過ぎた場合の)近未来予想には

あまり幸福には感じられません。


「しあわせはいつもじぶんのこころがきめる」(相田みつを)

だとも思いますが、(自分達にとっての)幸

福という視点で物事を見てみる、というのも大切なことですね。


それにしても幸福って大それたタイトルで書

ちゃったなぁ。テマヒマにいらっしゃった

様に何か小さな幸せを感じて帰ってもらえ

ら幸いです。

テマヒマの新年の営業は明後日1月6日(日)からで特別営業となります。