世紀の対決
明日から通常診療になります。今日はゆっくり朝からブログを書いて、ゆったりした時間を過ごしています。
ちょっと医療の話題とは無関係な話しで、格闘技に興味のない人には、どうでも良い話しかもわかりませんが、大晦日に世紀の決戦が行われました。
50戦無敗ですが、既に引退している41歳のメイウェザー選手がエキシビジョンマッチで日本人でキックボクサーの那須川選手と対戦するという今までにないビックマッチが組まれました。
メイウェザー選手は、あまりにも強かったので、日本人のボクサーが戦ったことはありません。そしてメイウェザー選手がアメリカ以外でプロの試合で戦ったこともありません。
ファンにとっては夢のような試合が組まれた訳です。
試合前のインタビューで、メイウェザーという選手の面白さというのを知ることができました。
試合の結果は、日本人である那須川天心選手の一方的な負けでした。基本的にボクシングの試合で、体重差が5キロ以上あり、ボクサーとしての経験もない選手とやれば、結果はみえているでしょう。
しかし、天心選手は、とても才能に溢れ、今後も有望な選手ですし、戦績もキックボクシングでは無敗を保っています。
若い21歳の天心選手は、こんなビッグマッチに自分が出られることが奇跡であり、彼なりに必死に練習をしたと思います。
短い期間でしたが、練習の様子は、動画を私も見て注目していました。日本のみならず、アメリカにもわたって、専門的なボクシングトレーニングをしていました。
練習を見ていても確かにかなり才能はある選手ですし、トレーナーも天心選手の才能はとても誉めていました。
この試合に私が注目したのは、試合内容ではなく、メイウェザーという選手の動向でした。いくら無敗の選手だったとは言え、ボクシングの試合を舐めているのかと思うような発言が多く、行動も日本に遊びに来ているような感覚でした。
そのことを世界の人は批判をしたり、くだらない試合だと酷評したりもしましたが、私はメイウェザー選手の、このインタービューを聞いて全く逆の意見です。
メイウェザーにとって、戦績には全く残らない(50戦無敗は、この試合で勝っても負けても記録には残らない)という条件付での試合であり、相手は階級が下で、経験のない若い選手です。
自分にとって有利な試合にしたのは間違いありません。
この試合で怪我なんかしたくない、ちょろっと金を稼げればいい。天心君は、この3ラウンドの為に血のにじむようなトレーニングをしてきた。
自分もベストは尽くすが、本気でそんなことは望まない。
こんなことの為に一生懸命やりたくないし、トレーニングもハードにやりたくない。新しいタイトルでもないし、適当にやるだけさ。
天心君は、皆さんを楽しませる為に、一生懸命トレーニングをすると言っていて、それが彼のやりたいことだから結構なことじゃないか。
そして、完全にエキシビジョンマッチだと割り切っているので、もし、どちらかがKOされたとしても、自分には関係ない。 判定もないので、勝ち負けにはならない。
という内容でした。そこまで試合前に言っているのですから、最初から、観客を楽しませるだけの試合(エキシビジョン)だと割り切っている訳です。舐めているのではなく、お祭りなんだから、血眼になってどうする?
と観客に問いかけているようにしか思えません。 ちなみにこの試合は、2分19秒で10億ぐらい稼ぎました。一般庶民にとっては桁が違いますよね。
昔、パッキャオ選手と戦った時は、360億円のファイトマネーを稼ぎました。一生遊んで暮らせるぐらいのお金は稼いだんだろうなと思います。
確かマイクタイソン選手でも1試合30億ぐらいだったのではないかと思います。まあその当時にしては破格のファイトマネーだったと思います。
しかし、今まで行ってきたトレーニングは、きっと一般庶民から考えたら桁の違うトレーニングをしてきた訳です。色んな犠牲を払ってきた訳です。だからこそ、このエキシビジョンマッチで、10億稼げる訳です。
例えば、私がボクシングの試合をするから見に来てと頼んだとしても、観戦料すら出したくないでしょ?(笑)
それを批判する方がおかしい。並大抵の努力では、アメリカでボクシングの試合で50戦無敗、5階級制覇なんて偉業は達成できるはずがありません。
引退しても、伝説となった彼の試合は、ファンが見たい訳です。
それに彼がこたえた訳ですよ。
だったら、それに相当する対価があっても不思議じゃないと言っている訳です。 全然間違ってないなと思いました。
彼だからできることであり、彼にしかできないことを彼がしただけです。 興業としての利害が一致した。そんな試合だったというだけです。
それより、これから有望な那須川天心選手が、このダウンで、どんな精神的ダメージが残ったかを今後の天心選手の試合で見てみたいなと思っています。
お金を稼ぐという意味を天心選手は、どれだけ理解したのか知りたいなと思います。
そこがわからなければ、この試合を天心選手が行った意味は全くないのでは、と私は思っています。
メイウェザーは試合の前半、笑ってましたからね。きっと那須川天心に、エキシビジョンなんだぜ、真剣にかかってこないよな~。ファンを楽しませるだけだから適当にやってファンを楽しませてやろうぜ~。お前の有望さは、よくわかっているし、とても良い選手だから傷つけ合う必要なんかないし、怪我させるつもりはないんだぜ~。
みたいに思っていたんだと思います。舐めて笑っていたのではないと私は思っています。
その意図をくむ余裕すらなかったんでしょうね。きっとファンの期待に応えたかったんだと思います。一発メイウェザーの顔面をパンチがあたった瞬間、メイウェザーを本気にさせてしまった。
ということでしょうね。
一生懸命という意味や、まわりの期待という意味を深く考えさせられたのではないかと思います。
私は、この試合を見てそう思ってしまいました。