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防災風土資源&ローテク防災術 -香川大学客員教授松尾裕治-

野村町平成30年7月豪雨災害復興祈念碑(西予市)

2024.08.26 11:49

西予市野村町の野村ダム下流の肱川沿いの平成30年7月豪雨災害で犠牲者が出た住宅地には、現在、防災広場が整備されています。この防災広場の一角に平成30年7月豪雨災害復興祈念碑があります。

この復興祈念碑には、平成30年7月豪雨災害で犠牲者がでたこと、自衛隊、警察、消防、国・県等の関係機関や他の自治体からの応援、全国から多くのボランティアによる支援を受けたこと、お亡くなりになられた方々を追悼するとともに、災害の記録を後世に伝え、新たな魅力ある災害に強いまちづくりを実現するために令和6年3月建立すると刻まれています。

この平成30年7月の西日本豪雨では、野村地区は肱川氾濫により浸水面積70ha、床上約570戸、床下約80戸の甚大な浸水被害が発生しました。肱川の規格外の大洪水の発生により野村ダムは異常洪水時操作、いわゆる緊急放流を行いました。

この時、野村では、早朝、突然の「寝耳に水」の呼びかけで避難することができなかった住民がおられたことが地元新聞で紹介されています。新聞記事によると消防団などが912戸を個別訪問して避難を呼びかけた後に39人が浸水区域に残留し。死者5人を含む34人は住宅の屋根に取り残されるなど救助活動ができない状況だったことを伝えています。

この復興祈念碑の自然災害伝承碑は、地域の水禍を忘れてはならないこと、災害から命を守ること、今日の激変する気象変動下、ダム等の防災施設の機能を超える大きな洪水が起こることに備える必要があることを教えてくれています。

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