2024年8月25日
最高の夜だった。
余りに幸せすぎて、このまま死んでしまうかと思った。
それくらい、素晴らしいライブが出来た。
間違いなく、僕らの目指す音楽の、ひとつの到達点に達することが出来た。
思い返せば、昨年の秋に初めてレコーディングを行ってCD音源を作って、「これを年内に全部売りつくすぞ!」という目標を立てて、年明けから4本のライブを行った。
正直上手くいったことも、上手くいかなかったこともある。
いつものホームを飛び出て他のライブハウスで初めての演奏で、慣れない環境の中思わぬミスをしてしまい、気持ちに焦りが出てしまって本来のパフォーマンスが出来なくて悔しい思いをしたこともある。
でもそういうすべての経験を経て、やっと昨日のライブをすることが出来た。そう思う。
僕らのバンドのモットーは、とにかく「好きな音楽を好きなだけやる」である。
これが言うは易し行うは難しで、とにかく5人全員が作詞作曲をやるので皆それぞれ趣味趣向が異なる。やりたい方向性やジャンルも微妙に違う。それでもこのバンドはそれを全部受け入れて、かつバンドとしてひとつの形になるようにアレンジを丁寧に丁寧に磨いてきた。
好きなものしかやらないと聞くとそれは一歩間違えばお客さん置いてけぼりのエゴバンド(それはそれで良いと思う)になってしまいがちだが、そこは不思議とメンバー全員が「自分が大好きな音楽でお客さんを楽しませたい」という思いが共通しているので、自分のやりたいことを入れつつ最終的にはちゃんとエンタメとして着地させる。手前味噌だが、そのバランス感覚が本当に優れていると思っている。我がバンドの最大の強みだと思う。
実際にお客さんに「どの曲が良かったですか?」と感想を聴くと、「いやもう、全部良かったです」と言われることが多い。そうなのだ。1曲1曲のキャラクターが非常に立っているため曲同士がお互い個性を際立たせ、全体を通して聴くとメリハリがありとても面白い構成になっている。
正直な話、ウチのメンバーには所謂めちゃくちゃ楽器が上手いという人はいない。
カリスマ的な速弾きが出来るギタリストも、天才的即興が出来るピアニストも、変態的テクニックを持ったベーシストも、超人的パワーと圧倒的グルーヴを持ったドラマーも、いない。もちろん決して下手なわけではないが、皆それなりに楽器は弾けるがあくまでそれなりのレベルである。
でもそれゆえに、どんな地平にでもいけるのだと思う。
誰かが突出して上手いわけではないので、誰か1人に寄っかかることはしない。皆で力を合わせて曲を作って、全員で行こうとする。
ソラトベルカは、そういうバンドだ。
昨晩のライブでは、そのひとつの完成形をかたちづくることが出来たと思う。
ポップスロックやフォーク、エレクトリックや民族音楽等メンバーそれぞれやりたいことを詰め込みつつ歌ものとして成立させ、かつちゃんとお客さんが楽しめるようにアレンジや構成を考えたパフォーマンスが出来た。
僕はもう、正直ラストの『遠雷』を演奏しながら泣くところだった。
初めて自分の演奏で泣きそうになった。
本当に、最高の夜でした。
あの場所に、メンバー全員で立って、あの演奏が出来たことを本当に誇りに思います。
メンバーの2人がちょっと育児休暇に入るのでバンドとしての活動は少しおやすみになりますが、何かしらの活動は続けていきたいと思っています。
まだ、これからです。
これからですが、ひとつの節目を迎えて。
これまでありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
ゴンノスケ