三代目❤夢小説 『NAOTO編39』
2019.01.04 23:00
「直人…さん!?」
「俺なら…」
「君を泣かせたりしない」
波の音だけが聞こえる。
初恋の人、直人からの突然の告白。
瞬間、まりあは思った。
碧に出会う前だったら…
素直に大好きな直人の胸に飛び込んでいけるのに…
双方の親には挨拶を済ませている。
碧の母は、一人息子の晴れの日を生き甲斐に、懸命に病と戦っている。
もう後戻りできない。
『他に好きな人がいる』
そんなこと告げたら、碧は何をしでかすかわからない。
危うくて不安定な碧を見捨てることなど、まりあにはできなかった。
「…まるで、夢のようです」
「そう?」
「ホントに長い夢を見てるみたい…」
「……」
「幸せな夢は…いつか覚める」
「まりあちゃん…」
「もっと続きが見たいって思う夢ほど…早くに目が覚めて」
「現実に戻っちゃうんです」
「俺は夢なんかじゃない」
直人はまりあの手を取って、自分の胸に当てた。
外見からは想像できない程に鍛えられた厚い胸板から、
とくん、とくん…
直人のHeartが奏でる音が聞こえる。
「確かにここにいるだろ?」
まりあは必死に涙を堪えて声に出した。
「直人さんは憧れの芸能人で、やっぱり雲の上の人…」
「…好きって言ってくれただけで充分です」
「まりあちゃん、俺は」
「碧先生と別れるなんてできません…」
「……」
直人はまりあの手をゆっくり離した。
水平線を見つめる美しい横顔には、強い決意のようなものが見てとれた。
つづく