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子宮頚がんワクチンについて

2024.09.07 09:52

今回は、子宮頚がんとその予防方法についてお話しします。 子宮頚がんは、主に性交渉を通じて感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で発生することが知られています。ウイルスに感染しても、多くの人は自然に免疫力でウイルスを排除し、健康に影響を及ぼすことはありません。しかし、少数の方では、数年から数十年をかけて子宮頚がんに進行する可能性があります。 HPVワクチンは、このウイルスに対する免疫を体内に作り、将来的なリスクを減らすために接種されます。 HPVには200種類以上の型がありますが、そのうち少なくとも15種類ががんの発生に関与しています。特に、子宮頚がんの原因としては、HPV16型と18型が50-70%のケースで関与していることがわかっています。

現在、日本で利用可能なHPVワクチンは以下のとおりです: * 2価ワクチン(サーバリックス): 16型および18型に対応 * 4価ワクチン(ガーダシル): 6型、11型、16型、18型に対応 * 9価ワクチン(シルガード9): 6型、11型、16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型に対応(令和5年4月から定期接種に追加されました) 接種スケジュールは3回で、定期接種の対象者は小学校6年生から高校1年生相当の女性です。対象年齢を過ぎた方でも、希望すれば自費で接種を受けることが可能です。 また、すでに4価ワクチンを接種した方でも、希望があれば3回目を9価ワクチンに変更することが可能です。

かつて、平成25年4月にワクチンが定期接種となった直後、一部の報道によりワクチンの副反応が懸念され、接種が推奨されない時期がありました。このため、令和3年までに対象年齢を迎えた女性の中には、接種の機会を逃した方もいらっしゃいます。 その後、ワクチンの副反応とされる症状についての因果関係が医学的に否定され、令和3年11月からは再び積極的な接種推奨が行われるようになりました。 接種機会を逃した方々に公平な機会を提供するため、特例として「キャッチアップ接種」が実施されています。平成9年4月2日から平成19年4月1日までに生まれた女性は、この機会をぜひご検討ください。キャッチアップ接種の対象期間は令和7年3月末までですので、接種スケジュールに従い、早めに1回目を完了していただくことをお勧めします。 現在、20代から30代の女性の死因の第1位は子宮頚がんであり、1日に8人の女性がこの病気で亡くなっています。子宮頸がんは予防できるがんです。多くの方が接種を検討されることを願っています。    (藤田聖子)

日本臨床内科医会の子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)接種勧奨資料のご案内