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地震ニュース

2024.08.29 15:06

日本地震前兆現象観測ネットワーク 6379号 '24 8/29

①『本日の地震2回』

29日 11時30分 石川県 M2.7

29日 11時17分 石川県 M4.0 震度3(最大)

29日の月齢は24.7。


②『Nictイオノ』

赤56(稚内14、国分寺39、山川2、沖縄1)

北高南低型異常イオノ。

稚内(赤14)⇒道、道周辺(含、北方米・露)規模警戒級。

国分寺(赤39)⇒関東方面、周辺と広く(遥か沖)は規模警戒(+)級。

150時間型。暫くぶりの大型前兆。

以上、明確な3要素(場所、時期、規模)で警告。


小谷教授・サイエンスライターによる。

残念ながら、電波状態と地震には、統計的に有意な相関は見られませんでした。

電離層の異常は、他の多くの「前兆現象」と同じく、地震予知に使えませんでした。(私がその研究グループを離れた後、地震予知サーバーは理研の指示で公開を停止されました』


③『関東P嵐警戒(+)』

8/29 16:45から30分

最大17:15 +9.2MHz 17.9MHz


④『沖縄N嵐警戒』

8/29 22:15から45分

最大22:30 -5.4MHz 3.7MHz


⑤『篠原情報(8/29 09:12 更新)』

太陽風磁場が南向きに強まり、磁気圏活動も高まりました。速度は低速(295Km)です。


⑥『電離圏嵐』

F領域臨界周波数で、電離圏嵐が確認された地域と時間帯。

8/28 22時~8/29 1時 : 国分寺で低い状態


⑦『28日の活動度指数』

黒点数179

黒点総面積 1520

F10 211.9

地磁気K指数の合計は28、最大6


⑧『私達は巨大地震とどのように付き合っていけばいいのか(小谷太郎:大学教員・サイエンスライター2002年)』

巨大地震はほぼ確実に、予告なしにやってくる。

「東海地震」はどうなったの?

東海地方や関東地方出身の方は、学校で「東海地震」について習った記憶があるかもしれません。

東海地震とは、1970年代に提唱された、駿河湾あたりで発生すると予想されていた巨大地震です。そしてこの地震は、発生前に地殻変動などの前兆現象をとらえることによって、予知できると説明されていました。或いは、予知できると錯覚させるような説明がなされていました。

今でも皆さんの中には、将来東海地震が予知できて、事前に警戒宣言が発せられるだろう、と思っている方がおられるかもしれません。

或いは、今回発せられた「巨大地震注意」は、地震予知研究の成果だと感じている方がいらっしゃるかもしれません。

残念ながら、今回の「巨大地震注意」は、東海地震の予知研究に注がれていた予算と努力のアウトプットとはいえません。

第一に、駿河湾のあたりで巨大地震が発生するだろう、という見通しは当たりませんでした。巨大地震が次にどこで発生するかは、50年前も今も分からないものなのです。

第二に、当時期待された「前兆すべりモデル」では、地震を予測できないことが、現在では分かっています。

その事実は、気象庁ホームページにも(細かい字で)記されています。

第三に、サイエンスの話ではないのですが、東海地震の「警戒宣言」と、今回の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」は、制度が違います。

東海地震の監視網を整備し、発生を予知し、内閣総理大臣が警戒宣言を発するしくみは、1978年に施行された「大規模地震対策特別措置法」によって定められています。

一方、「巨大地震注意」や「巨大地震警戒」を発表する仕組みは、2003年に施行された「南海トラフ地震(東南海・南海地震)に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」に基づきます。

前者は東海地震を予知する気まんまんなのですが、後者には「予知」という言葉すら見当たりません。(政府の文書における「地震予知」と「警戒宣言」の記述は、年々トーンダウンし、2003年頃には殆んど見られなくなります。)

これは東海地震を予知する仕組みが失敗したことを踏まえている、と好意的に解釈することもできますが、大規模地震対策特別措置法は現在も残っています。

もしかしたら知識をアップデートしていない教育現場では、いまだに東海地震について、予知できる巨大地震として教えているところがあるかもしれません。

結論ですが、東海地震は予知できず、気象庁もそれを認めています。将来「警戒宣言」が発表される見込みはありません。

巨大地震を引き受ける日本列島に住む

ところで私は、かつて理化学研究所にいたころ、半年ほど地震予知の研究に参加したことがあります。

その地震予知手法は、地震の前兆として電離層に異常が生じる可能性があるので、それを電波受信機で感知する、というものです。

これはアマチュア天文家の串田嘉男氏と串田麗樹氏が提唱した予知手法です。流星は大気をイオン化するので、これをラジオ受信機で感知するという観測方法があるのですが、串田夫妻はこの観測を行なっていて、どうも受信状態の異常が地震の前に頻発するようだ、と思い至りました。

理研の研究は、この「前兆現象」を統計的に検証するというものでした。

私が担当したのは、電波状態の測定データと気象庁の地震データの相関を計算し、「地震予知サーバー」を立ち上げてインターネットで公開するという部分です。

残念ながら、電波状態と地震には、統計的に有意な相関は見られませんでした。

電離層の異常は、他の多くの「前兆現象」と同じく、地震予知に使えませんでした。(私がその研究グループを離れた後、地震予知サーバーは理研の偉い人の指示で公開を停止されました。)

この経験の教訓は、世には実にさまざまな地震予知手法が提唱されていて、中には明らかに出鱈目なものから、電離層の異常や前兆滑りのような、かなり期待された手法まであったのですが、結局どれも成功しなかったということです。

大地の振る舞いは本質的に予測不能で、地震は実に難しい現象です。

結論ですが、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」や「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」は、残念ながら全く当てにできません。

日本列島のどこにいても、1週間に0.4%程度の確率で、予告なしに巨大地震がくる可能性があります。

列島に住むことを念頭に入れて、普段から巨大地震に備えておきましょう。

Yoshio Kushida, Reiki Kushida, 2002, "POSSIBILITY OF EARTHQUAKE FORECAST BY RADIO OBSERVATIONS IN THE VHF BAN," Journal of Atmospheric Electricity, Vol. 22, No. 3, 239.