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ulcloworks

約束。

2024.08.30 04:06

夏休みが終わり、ラジオからフジファブの『若者のすべて』が流れまくる時期になって、振り返れば過去最高に動き回った夏だったなと感じる。

ともすれば人生さえも考え直すような感覚になったのだが、それは別でnoteに書き殴ろうかと思う。


さて、僕らの業界の仕事は最終的にお洋服(またはそのほか繊維製品)になってお客様に着用していただき喜んでいただくことが目的地なので、きっと産業従事されている諸兄に関しては、そこらへんは重々承知のことかと思われる。


商品品質やコストはもちろんだが、おそらく店頭に並ぶ前に一番トラブルのタネになるのは納期だろう。

納期ってね、ほんと、生地作りしかやってなかった大昔の頃は、一日遅れたくらいでガタガタ言うんじゃねぇって思ってたのは内緒。

でも今洋服にして納品するところまでやると、起点になる原材料から各工場納期の設定はサバを読んで帳尻を合わせることをきちんとしないとお客様のみならず多方面へ多大な迷惑をおかけする事態になるので、生地だけやってた舐めてた頃の自分を殴り倒したい気持ちにならないでもない。


なんだろう、言語化するなら、期待値に対する裏切りとでも言おうか。


納期遅れっていうと一般的には生産側の遅れのイメージが強いと思うし、実際世の中の納期遅れトラブルの大半はそうなので異論はないが、一方で時々、依頼者側都合のズレから起こる納期遅れもある。これに関しては昔書いたので下記ご参照。

価格決定や納期期日のやり取りなどは、口頭であっても約束として認識される。

単価にしろ納期にしろ「約束を守ることができるのは依頼者が約束を守った時」なので、依頼者都合によるズレ込みに対しては断罪している工業の方が多いイメージ(SNS上での山本確認比)。


逆に言えば、そこまで生産側の主張が正しいと認識されればされるほど、依頼者が約束を守った時の生産都合による納期遅れは罪深い、ということになる。

とはいえ生産に事故はつきものなので、ある程度は許容されているのが現状。


だけど、声が大きい人がSNS上でこれらの主張を叫べば叫ぶほど、当人絡みの納期遅れはリアル実務上でも仮想空間(ネット)上でも信用を大きく失う。


やむを得ない事情で遅れるような時でも、帳尻を合わせられるスーパーマンは実は現場に結構いる。彼らは別の何かを犠牲にしながらもお客様との約束を果たす。これが良いか悪いかは置いといて、そういう人のところには案件がいつも押し寄せている。

表に出てこなくても事実としてそういう人が存在する以上、ネット上で大口を叩いている人が「できなかった」時のダメージは本人が考える以上のインパクトがある。

依頼者からすると、ネット上での発信を真に受けて「そこまでいうならきっと大丈夫」という暗黙の約束が交わされているので、約束期日に対してちょっとならまだしも、月単位での遅れなどは論外の外の外。

ましてその報告を受託者本人から誠意をもって謝罪含みでされないなら、以降そんな人に仕事を頼もうなんて気は1μも起こらないだろうし、そういう話は秒速で業界を駆け巡る。


業界を良くしたい思いは素晴らしいと思うし、全く賛成する。

仕事始めたばかりでちょっと覚束ない時期ならまだ世間も大目に見てくれるだろうけど、一応プロとしてやるなら、約束を守るのは最低条件になると思うので、依頼者から不満が出てしまうような事故を起こしてしまった後はそのマイナスを埋めるためにどんな手を使っても約束を果たすことが望まれる。


依頼があればだけど。