選ばれるプランニングの秘訣~可変性のあるスペースづくりで多用途に使いやすく
施主のこころをわしづかみ!
選ばれるプランニングの秘訣
ホームページやインスタグラム、ピンタレストで「なんだか素敵」に見えるプラン。センスがないから自分には無理…と諦めていないだろうか?実はベテランたちのデザインリフォームには、テッパンのプランニング手法が使われていた!使う建材、見せ方、組み合わせ方、洗練されたプランを参考に、プランスキルを上げよう!
《1 リビング》
可変性のあるスペースづくりで多用途に使いやすく
家族構成 : 夫婦+子ども1人
築20年 戸建て(元々、外廊下で母屋と繋がっていた)
要望 : 出産を機に、農家のご主人の実家をリフォーム。育児と家事、仕事もしやすい間取りにしたい。
家事・仕事・子育てがひと続きの間取り
ご主人の両親が暮らす母屋と繋がる外廊下は取り壊し、子育てしやすいようにリフォームした事例。キッチンはパントリー横に移動し作業性アップ、家事をしながらリビングにいる子どもの様子が見守れる対面式を採用した。
キッズスペースは2階ではなく、あえてリビングの一角に設けた。小さいうちは1人で片付けられないうえ、着替えやおむつと荷物が多い。リビングならば、移動が少なく効率的だからだ。天井のロールスクリーンを下ろせば、簡易的な客間に。さらに室内干しを付けたので、ランドリースペースにもなる。可変性のあるつくりで、子どもが大きくなってからも、多用途に使えるスペースだ。
キッチン横のワークスペースも、ご主人の仕事場、子どもの学習とどちらも考慮。ご主人から「使いたい」と要望のあったプリンターのサイズに合わせた収納棚は、袖壁で隠してすっきり見せている。
【テッパン 1】何にでも使いやすい可動棚
収納棚のサイズは、子ども服であれば十分な奥行き45cm。将来的に幅広く使える可動棚を選択。フロート式なのは布団やおもちゃをしまうためだ。
▲客間にした際の動線用に、廊下に続く扉を設けた。
【テッパン 2】収納はぴったりサイズ
スライド収納はプリンターサイズに合わせて、奥行き40cmに。ルンバもちょうど収まる。ぴったり隠せるように、棚の側面に袖壁を設けた。
【テッパン 3】色づかいでゆるくゾーニング
排気ダクトの凸凹を隠すため、あえてダイニングの天井全体を下げ、木目クロス仕上げにすることで、空間をゆるく区切っている。
▲クロスは、先に決まっていたフローリングとサンプルを並べて吟味した。濃い色を持ってくることで、部屋のアクセントになった。
お話をうかがったのは…
ホームテック(本社・東京都多摩市)WAKATTE 設計営業 彦坂綾乃さん
ハウスメーカー、設計事務所で設計職に就き、2004年同社に入社。自身の子育て経験から「子育て中の女性をサポートしたい」と、リノベーションブランドWAKATTEの立ち上げに携わる。営業・設計を担当。
リフォマガ2023年4月号掲載
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