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サメとゾンビと空伏空人

サユリ

2024.08.30 09:41

 ホラーといえば暗がりだ。

 じ、じじっ。と音がする。

 電球が切れかかっているかのように、あまりにも不自然に、電気が消える。

 悪霊は暗がりだからこそ人を怖がらせられると言わんばかりである。

 実際、明るいホラーというのはそんなに怖がられない。ミッドサマーだってそうだったじゃん。

 暗いと、心細くなるのが生きてる人間で、心細さを待っているのが悪霊。

 じ、じじっ。と音がする。

 だったら電球を変えて部屋を明るくしてしまえばいいだろうが!

 なにが幽霊恐いだ。生きてる人間の方がよっぽど恐いのが今のブームなんだよ!!

 ということで『サユリ』である。

 引っ越した夢のマイホームには誰かがいる。

 明らかに人ではない誰かがいる。

 そいつは家族をひとりずつひとりずつ暗がりに乗じて殺してくる。

 それがとても。

 許せない!!!!!!!!!!

 ぶち殺してやるぞ!! 復讐だ!!!!!!!!!!!!

 窓は開かれ、差し込む光はあまりにも眩しい。

 ここまでノリノリに、ホラーで被害者が『復讐』を誓う作品も珍しい。

 そりゃそうだろう。本作はJホラーが基本的に負け戦である。という視点から始まった作品なのだから。

 だから電球を変え、部屋を掃除し、飯を食い、よく寝て、明るく過ごすのである。

 あくまでも主題は復讐なので、祓うことも逃げることもしない。

 『呪いから逃れる』ではなく『呪いを殺す』ことに目をぎらぎらとさせているのはとても新鮮だった。

 もっとも、最近のホラーは意外と『逃げる』選択肢を取っていないし、『負け戦』もあんまりしていない。

 例えば『貞子DX』とかは共存するし、『きさらぎ駅』は確か与えた終わりだった。

 負け戦ホラー以外が増えてきたから、この作品も映画になったのかもしれない。


 ところで今原作読み終わったんだけど、最後の『肩を叩く家族たち』の意味あいが違う気がします! 俺はこっちの方が好きです!!

 でも映画のすげえねっとりしてるロリコン親父も好きです。なんでロリコンってああいう風にねっとりかかれがちなんだろうか。


 映画『サユリ』。映画『変な家』のチェーンソーババアが好きな方にオススメです。同じ役者っぽいです。

 そんなホラーに登場する元気なババア役が重なることある?