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Pianist由美子UNO が綴るショパンの情景

フレデリック・ショパン、ワルシャワ出国を延ばすフレデリック…ティトゥスへぶつけるフレデリックの葛藤とは…。

2024.08.31 09:50

🎶19世紀ワルシャワ聖十字架教会の前の

フレデリック・ショパン🎶


ポーランドを去る覚悟を決めたフレデリックは自分の望み通りの人生を送ることを諦めなくてはならなかった。

それは、外面的にはポーランドのため、内面的には貧乏な家族を支えるため、心情的には中下級貴族の貧乏な親友ティトゥスをのためなのか、フレデリックは自問自答を繰り返していた。

悩めるフレデリックとは裏腹に両親は政府から褒美を得られ上機嫌なのだ。

そして、コンスタンツァアは、ロシアの士官に気に入られ華々しいデビューを飾ったのは束の間の舞台であった。その後はコンスタンツァアはポーランドからは出ることは許されず伯爵の後妻になる運命なのだ。

全てを諦めるしかないフレデリックだが、悩んでいる時間も残されていないフレデリックは書き始めたオーケストラ付きのポロネーズを完成させなくてはならないからだ。

「オーケストラとのポロネーズを始めたが、現時点では単なるアイデア、スケッチに過ぎません。

いずれにせよ、私は今日、あなたを安心させるために、私が聖ミカエル(9月29日 )までにここを去ることはないことを伝えるために、前もってあなたに書簡を書いています。

これ以上はっきりしたことはない。君が怒りで顔を真っ赤にして、私の書簡を投げ捨てるのが目に浮かぶようだ。しかし、親愛なる友よ、私たちは望むことではなく、できることをしなければならないのです。」

フレデリックの本当の望みは

ポーランドから出て行き、ポーランドの民族音楽を書かねばならないことは出来るであろが自分の心の底からの理想ではない。

マズルカを生涯書き続けなくてならないことも出来るかもしれないが望みではない。ティトゥスにも自分の望みでなくとも国のために自分ができることをして生きていくようにと伝えたフレデリック。

「あなたは私の懐を心配して引き止めるなんて思わないでください。

しかし、何かを達成するために必要なお金に関しては私は十分なお金を持っています。神に感謝しつつも、その点に関しては心配はしていないのです。

ですから、ベルリンの新聞が私に与えてくれた、私にふさわしいポジションに反対し私が不平を言うのは難しいのです。幸いなことに、ウィーンの新聞は、私の変奏曲について別の論調で書いています。」

フレデリックはウィーンの新聞に好意的な評論が載ったがフレデリックはドイツ語を読む事は難しかった。しかし、フレデリックの訳はほとん正確だった、「その評論文は短いが、とても熱狂的で、とても高尚で深遠で、しかもとても哲学的であるため、翻訳することは不可能ですが、最後に、この変奏曲は外見的な魅力だけでなく、内面的な長所も持っていると書かれています。

このドイツの筆者は私に大きな謝意を示してくれた。彼の言葉には偏りがなく、私が望むもの、すなわち個性を私に与えてくれました。」

その内容の一部は、

アゲマイナー・ムジカリシャー・アンツィガー1830年8月7日

からの要約、【…ショパン氏によるピアノと管弦楽のためのお手をどうぞの主題による変奏曲作品2を注意深く鑑賞した。華やかな外面だけに留まらず、真の独創性を作品に刻みつけることを真剣に取り組んでいることが受け取れた。それは普遍の価値である。】

照らし合わせると、フレデリックの訳は概ね正解で辞書だけではなく確かな教育を受けいたことが伺える、しかし、

最後の【普遍の価値】という大事な部分がフレデリックの文面には抜け落ちている。なぜかは不明だが、これが捏造なのか、フレデリックが読んだポーランドの新聞には削除してあったのかいずれかである。

そして、ベルリンの新聞では、とあるが、こちらも、ベルリンの記事をポーランドの新聞に転載して掲載された文章をフレデリックは読んだと推測する。そこには、ポーランドを代表する芸術家の一番手のオルウォスキとともに、二番手のショパン、このふたりは、国の政策により政府のバックアップを得てポーランドの民族音楽の手付かずだった畑を耕しはじめ、将来は民族の栄光に貢献することは間違えないと、公表されていた。

フレデリックは名誉とは思うことは出来ず、この陰謀にはティトゥスも関わっているのではと疑っていた。「私は、あなた以外に自分のことをこんなに長く話したりしません。

あなた以外には。あなたは私にとってとても大切な人であり、私もあなたにとって大切な人でありたいと思っている。」

これは、私の真意を知るのは

ティトゥスしかいない、つまりは

自分の意に反した制裁があるのは、ティトゥスがフレデリックの情報を政府筋の誰かに売って漏らしているのではないかと、ティトゥスにフレデリックは意を唱えているのだ。

そして、

オルロフスキーの次に名前が挙がることは、名誉でも不名誉でもないとフレデリックはティトゥスに語った。

なぜなら、フレデリックはポーランド民族音楽家になりたいわけではないからだ…「今日、彼の新作バレエがレスベニエ氏の舞台装置で初演される。彼らは驚異を期待している。昨日はチョホッキ、あの太っている奴(アマチュアのフルート奏者)の誕生パーティに行った。私はシュポアのピアノ五重奏曲を演奏した、 

クラリネット、ファゴット、フレンチホルン、フルートのための五重奏曲。しかし、ピアノのために書かれた曲はひどいものだった。

運指ができないことが多い。五重奏曲は7時に演奏されることになっていたが、私たちが始めたのは11時だった。私が眠らなかったと聞いたらあなたは驚くだろう。

しかし、そこには私の理想を思い出させてくれる魅力的な若い女性がいた。想像してみてほしい!私は3時までそこにいた。バレエのリハーサルがあったからだ。

今日はさぞかし飛び跳ねていることだろう」

フレデリックは興奮気味に語った、バレエやオペラはフレデリックの夢なのだ。舞台芸術に興味があるフレデリック、新しい舞台装置にも関心があるのだ。オペラを書くことこそがフレデリックの夢なのだ。ティトゥスはそれを知っているはずなのだ。自分の夢を必死にアピールするがフレデリックの行き先と仕事は決まっているようなものであった。

「昨日、ロンドンのバルテックに手紙を書いた。アントニ・ウォジンスキーがウィーンから戻ってきた。私は間違いなくウィーンに行くつもりだが、正確な日付は言えない。明日、クラクフの馬車で出発するつもりだった。先延ばしにしてしまった。私がこの計画を断念するよう説得されたとお思いでしょうが、私は自分にとって最善のことを考えているのです。健康さえ維持できれば、私は生涯を

仕事に費やすつもりです。私は本当に怠け者なのだろうか、それとも自分の体力が許す以上に働くべきなのだろうかと考えたこともある。でも正直なところ、私はまだ完全な怠け者ではないし、本当に働かなければならないときには、今の倍は働けると確信している。このように自分を弁解しようとすることは、自分をより悪く見せているに過ぎない。

あなたへの愛が絶望的なものであることはわかっている。

このような戯言を書き連ねているのは、あなたに私をより深く愛してもらおうとするためなのです。人はしばしば、物事を改善しようとして台無しにしてしまうものだが、私が何をしようが何を言おうが、あなたにとってはどちらでも変わらないようだ。私のあなたへの想いは 

超人的な方法を探し求めなければならない。あなたは自分の傾向の主人ではないが、私は私の傾向の主人である。

樹木にその個性と幸福と生命を与える葉をはぎ取るように。冬でも私は緑の葉を保つ。私の頭には春があり、どうか神よ、私の心には夏の暖かさが満ちていますように。だから 

このような植生の話に驚く必要はない。もううんざりだ!

キスで終わりにしましょう。」

ロンドンのバルテッとは

アントニ・バルチンスキのことで、将来、フデリックの姉のルドヴィカの夫となる人のことで、彼はフレデリックの幼少の頃からの家庭教師でもあった。そのバルチンスキはロンドンに居るのだ、

だから、フレデリックはウィーンの田舎に行くよりは都会のロンドンに行きたいとバルチンスキに書簡で訴えた。そして、将来の婚約破棄騒動になるマリア・ヴォジンスカの兄がアントニ・ウォジンスキーなのだ。

それから、ドイツの作曲家、シュポアの五重奏曲とハ長調を演奏したフレデリックだが、

この曲についてはとても美しい曲だがピアノを無理に目立たせようとしてピアニストには無理な指使いばかりを強いる我慢がならない曲であるとティトゥスに話した。

シュポーアの両親は母親は歌手とピアノ奏者、父親はフルート奏者、シュポーア自身はヴァイオリニストであった、彼は交響曲

と室内楽曲主にを書いていたがピアノ独奏曲はなくシュポーア自身がピアノがあまり長けていなかったのではないかとフレデリックは彼の弾きにくすぎる指づかいを強いられる曲を弾いて読み取っていた。

これらの外来種の話はたいした話しではないとティトゥスに語ったフレデリックは自分自身の将来に

不安しかなかったが、ティトゥスのことは親友として愛情があるがこれから先は一緒に生きていくことは出来ない、

国から出て民族性の豊かな曲を書くことが仕事だが、自分の健康に自信がないが、怠け者ではないから、今よりは働けるはずだ、

ベルリンやウィーンの記事は褒められたのか嵌められているのか、名誉か不名誉か、自分は民族音楽家ではない、

コンスタンツァアを諦めなくてはならないから他のパトロン付きの若い女に目を向けてみたものの、

理想の女性コンスタンツァアを

思い出してしまい、その気にはなれず。ティトゥスのことは信じたいがもしかしたら裏切られていないか、など、

今の自分の置かれた状況から逃げるにはバルチンスキを頼ってロンドンへ行くのも悪くはないかもしれない。フレデリックは、心の葛藤の苦しみをティトゥスに投げかけ、まだワルシャワでやり残していることがあるから出発を伸ばした事情をわかってほしかったし、

自分の気持ちを掻き回す外来種の評論やシュポーアの曲などはどうでもいいことでうんざりだと思っていた。

『樹木にその個性と幸福と生命を与える葉をはぎ取るように。冬でも私は緑の葉を保つ。私の頭には春があり、どうか神よ、私の心には夏の暖かさが満ちていますように。』フレデリックの現実はこの言葉とは反対に厳しかった。フレデリックは神に祈るしかなかった。

🎶🎼フレデリック・ショパン🎶🎼🎹🎹🎹🎹🎹🎹🎹🎹🎹🎹🎹🎹🎹🎹🎹🎹🎹🎹