1月の模試が返却された時の心構えについて。模試をどう使うか
受験が本格的に始まる2月まで、残り一ヶ月弱となりました。
鬼気迫る雰囲気で勉強に取り組んでいる子が増えるのは、この時期の風物詩。目が真剣です。本人たちは苦しいでしょうが、この経験は将来必ず役に立ちます。大人が言うんだから間違いない。
さて、そうやってみんなが志望校に向けて頑張っている時期ですが、ということはつまり、決断の時も近いということです。志望校の最終決定ということですね。その決定方法に関しては以前の記事でも触れています。
その決定方法の1つが、模試を使うということ。外部の模試の場合、1月が最終の模試という子も多いでしょう。
それを志望校判定で使うというのは悪いことではありません。ただ、それだけだと困ります。本日はそこんとこ突っ込んでいきたいと思います。
模試の使い方(公立高校受験中3ver)
さぁ、模試をもらった!
まず点数と偏差値に目がいく。次に志望校判定。「よっしゃ!」や「あー」という声が響く。成長を喜ぶ者、思ったより成長していなくて焦る者(回りも成長するからね)、落ち込む者、反応は個々で様々でしょう。
一番怖いのは、この反応までで終わってしまうことです。
1月の模試は、いわば本番前の最後の練習試合。
ただ勝った負けたでは勿体なさすぎます。
大事なのは、「何ができていて、何ができていないか」を把握し、本番に活かすことです。
もし模試後すぐに解き直しをしている場合も、改めて結果をよく見てみましょう。その時とは違った課題点に気付けるかもしれません。
そこからの課題発見→解決のプロセスは、それこそ個々人によって道筋が異なりますが、今回はわかりやすいように多少大雑把にそこからの分析の活用方法をいくつか載せておきます。参考になれば幸いです。
ちなみに、今後の勉強の進め方をちょっとスポーツ風に「メニュー」としてあります。とっつきやすいようにね。
注意点を先に挙げておくと、分析やその後のメニュー組み立ての段階で、相談できる先生がいるなら必ず相談すること。細かい微調整は生徒個人では難しいです。学校でも塾でもいいので、信頼できる先生を頼りましょう。
それでは、分析と活かし方について。
1 できているポイントを見つけて自信を持つ
分析というとできていないところに目がいきがちですが、特に勉強に自信がない子は、自身の成長点にも目をやるようにしましょう。「やればできた」という気持ちは更なる頑張りへの原動力になります。
ただ、安心や慢心はいけません。既にできているところに成長ポイントはないからです。できているポイントで心の力を蓄えたら、以下のように自分の課題と向き合いましょう。
2 できているポイントを得点源にするためのメニューを組む
これはどちらかといえば、目標点数が7割以下の生徒に取り組んで欲しい内容です。
自身ができているものの中に、まだちょっと怪しさが残る単元を見つけたら、残り時間のメニューの組み立てをその部分中心にするということです。得点源を強化するイメージ。
特に理科や社会といった難易度が高い科目は、現状すべての単元の理解度が高い状態の子でなければ、ここからすべての単元をまんべんなくやるのは危険です。
例えば理科であれば、下記のように4分野の単元がバランスよく出されますから、得意な単元を見つけて、そこに注力し、「ここの単元が出てきたら絶対に得点が取れる!」という風に得点源にするのがいいでしょう。
数学でも計算で満点取れていないようならまずはそこから。重要なのは、何となくできているところを完璧に近い形でできるようにすることです。
3 できていないところの中から得点源になりそうな部分を探しメニューを組む
模試ではっきりできていないことがわかった単元の扱い方は、人とタイミングによって分かれます。わかりやすいようにはっきり言いますが、そこからのメニューの組み立てを大きく分けるなら、力を注ぐか、捨てるかの二択です。ここでは力を注ぐ場合のお話をしましょう。
7割以上を目指していく子であれば、この「できていない部分」の問題演習が今すべき最大のミッションになります。なぜできていないのかを掴み、その理由を潰していきましょう。潰すには、【入試レベル以上の問題で課題発見】→【見つけた課題の基本・応用問題を演習】→【入試レベル以上の問題で課題解決】という流れがオススメです。もちろん度合いは人によって変わりますが。
問題演習と言う名のアウトプットを繰り返し、基本的な問題であれば、ほぼ反射で問題に立ち向かえるようにしておくことです。それが応用問題や入試レベル以上の問題にも間違いなく活きてきます。これってスポーツと同じですよね。そんな課題解決中心のメニューを組みましょう。
目標が7割前後以下の子であれば、自身の目標点数に応じて、注力する部分を変えていく必要があります。例えば、数学や英語ではどこを捨てるべきなのか、以下の記事で例を確認してみて下さい。
できていないところをできるようにするというのが、勉強の成長における王道です。こここそが最大の成長チャンス。
念の為申し上げておきますが、今は課題を見つけて凹んでいる場合ではありません。むしろ「よっしゃ、見つけたぜ!」という具合で自身の最高成長チャンスを掴みにいきましょう。そのマインドが手の動かし方を変えていきます。
4 できていないところを捨てる
入試では、100点を取る必要はありません。
学力向上という観点から見れば、「捨てる問題を作る」ということは愚かな行為です。しかし、今は時間がありません。この辺りの価値観は人によって異なると思いますが、人によって異なるからこそ、こういった方法論もここに記しておきますね。
入試本番で「これはできない」と思う問題は容赦なく捨てます。その問題に対する練習時間を、得点源になりそうな問題の練習時間に使うのです。
「既にそうしているよ」という子にとっても、この時期の模試というのが更にどこに焦点を当てればいいのかのヒントをくれるでしょう。
新しい2のゾーンが広がったり、3が4に降格したり、可能性は少ないですが4の中から2や3が見つかるかもしれません。
繰り返しになりますが、残り時間はわずかですから、そんな模試の結果を踏まえて、自身の目標点数に応じた戦略を立てていきましょう。
まとめ
最後の模試を既に受験した方も多いとは思いますが、これから受けるという方もいるでしょう。
いいですか、本気でやった模試だからこそ、その結果が、その分析が、次に活きてきます。本気で受けないという方はほぼ居ないとは思いますが、あえてお伝えしておきます。
次の模試は、本番だと思って受ける。その心構えを忘れないようにして下さい。
上記では、何度も残り時間がわずかとお伝えしましたが、例年を見ていても、まだまだ生徒個々人の実力は伸ばせる時期です。
ただ、周りも伸びますからね。その中で差を付けるには、周り以上の努力や戦略が必要になってきます。
辛いと思う。苦しいと思う。でも、今までそれを味わってきた子にすれば、そろそろそれに慣れてハイになってきているのではないでしょうか。
どちらにせよ、今が正念場。どうか、一生で一番勉強する毎日を。
その一生で一番の勉強をする時の「何をやるか」の参考に、この記事がなれば幸いです。自分に合った「やるもの」って本当、人によって違いますからね。
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