高所得者に迫る危機、三年前だからできる打開策
【人生考察】 年収一千万円以上の高所得者にとって平成三十一年は新たな準備を始める最後の機会となるだろう。
四月には「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」が施行される。国による働き方改革の一環だ。昨年末に対象を決定した。年収は一千七十五万円以上で、対象業務は五(金融商品の開発・ディーリング・アナリスト・コンサルタント・研究開発)。現在対象ではないものの、対象年収の引き下げや営業等の対象業務の追加も順次、行っていく見通しだ。
十月には消費増税が実施される可能性がある。そして何よりも高所得者に大きな支出の変化が伴うのが「住宅ローン」の返済だろう。金融庁の統計では住宅ローンの滞納が全国で四十万件に上る。昨今は滞納数が上昇してしまっている。現在は低金利時代。金融機関等にもよるが、後ニ、三年で住宅ローンの変動金利は上がる事が見込まれている。
シニア増による社会保障(介護を含む)や子どもの養育費の高騰も併せて、今後の支出が逓増していく。高プロの拡充前、住宅ローンの金利引き上げ前の二、三年が勝負だ。本年に昨年と同じ意識・やりくりでいたら、四年後には持ち家を失うどころか、破産の可能性すらある。
<新年にFPに相談を>
高プロは時間給から歩合給と実力主義。成果が低ければ、時間を多く費やす点に着目されたい。消費増税分は非キャッシュ支払いにより、実質五%となるものがある。適宜、国の方針に敏感になられたい。住宅ローン・介護・養育費の三大支出は、逸早くファイナンシャル プランナに相談すべきだろう。残っている返済年月、親の年齢と健康状態、子どもの未来設計は無計画ではいられない。
新たに副業を始めなければ、収入は逓減していく。何故ならばAI・ロボ、非正規と外国人労働者が競合となり、一般の商品・サービスに同じ、市場原理で給与基準が下がっていくからだ。支出は逓増見込みなので、支出を見直す必要がある。全てを贅沢・嗜好品と断定し、次の十年の為の家計を再考する。家庭の生活水準を三段階も落とせば、大方、対応できるだろう。
特に注意すべきは妻である。男性よりも女性の方が事前に生活水準を下げたがらない。既に富裕層達は生活水準を圧倒的に下げている。今時、タワーマンション等は選ばない。
そして収入を逓増させる。まずは副業によって月に十万円の所得を目指す。年間で百二十万円の収入増となる。これで逓減分は埋める事が可能だ。その副業をブラッシュアップし、法人成りを目指せば、新たな安定収入となるだろう。株式や為替は避けるべきで、実業を選ばれたい。
一度、堕ちれば、再び上がる可能性が小数点以下になるのが第四革命。
ニ、三年先の危機だからこそ、新年の今から再考されたい。
記事:羽田野正法