Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

桜楓会 Ohfukai Society

The Fraser River 水彩画

2024.08.25 07:31

今年の7月30日大雨により発生した土砂崩れはバンクーバー北東に車で8時間程かかるカリブー地域のChilcotin Riverに土砂が堆積しダムが出来、川の水量が急増し、最後に氾濫した。本流のフレイザー河に大量のデブリが流れ込み濁流土砂木材など残骸が押し流され大きな災害を起こした。その濁流はホープ経由でバンクーバーにも達した。僕にはこのような経験は実感としては無かった。5日に注意警報が出ていたが、現場写生の8月6日火曜日にFinn Sloughで現場写生していた折は変化は無くただ大きな干潮状態であった。3日後再び同じ場所にて早朝の光を描こうと一人で行った時には、濁流が水位を押し上げ残骸類を押し流して来ていたのを目撃した。それが左の水彩画である。流木等がぴっちり水面を覆った濁流が堰止められていた。狭い間口の細長い沼沢地にあるので災害を防ぐ為にブイによる寄る堰を水面に浮かせる手法を取っている。河川の氾濫は確かに危険であるとふと感じた時であった。ところが、上流の原住民達にとっての大心配事は、二週間後に始まるサーモン・スポーニングの遡上(鮭の母川回帰)が可能か否かであった。産卵時までに河の土砂が修繕され、水が清浄化される事を祈りたい。この原稿を書いている間に8月24日のグローブエンドメイル紙にはこの河のサーモンの保護保存問題に付いて警鐘を鳴らす記事が出ている。ソークアイサーモンの大量遡上で知られる地域なのである。今年のサーモンダービーは中止された。気象変動には更なる研究と肝要な手立てが必要であろう。原因となった土砂崩れは気温の急上昇・旱魃・山火事・土砂崩れ・そして豪雨など複雑な要素が重なって発生している様だ。