“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百三十八通目『作る間、生まれる間』
◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百三十八通目『作る間、生まれる間』
「間 (ま)」が、上手に使えるかどうかで表現者のランクは大きく変わります。
君が俳優を目指していれば、当然、「間」については勉強をしていると思います。
「間」というのは「セリフとセリフ」の間の「時間」のことです。
「間」には、「作る間」と「生まれる間」があります。
どちらが良いとか悪いとかではありません。
演劇や映画・テレビのお芝居では、俳優は「間を生んで」います。
セリフとセリフの間にも「コトバとなって発声されない心の声」というものが必ずあります。日常生活の中でも、「頭のに中で瞬間的に色々な思考がめぐり」、結果としてコトバが発せられます。
俳優はそれを再現するのです。思考がめぐる時間が「間」であり、俳優は劇中の中で、本当に生きている人物を演じるにあたり、「頭の中でも思考のめぐりを演じ」るのです。
そして、結果として、「間が生まれる」のです。
ところで、「間を作り出す」パフォーマーがいます。
「お笑い芸人」です。
彼らは、俳優が「頭のに中で思考をめぐらせる演技」で「間を生む」のに対して、「間を作り出して」「笑いを生む」のです。
例えば漫才でボケとツッコミがやりとりをしている時に「間」を入れます。これは「思考をめぐらせる演技」をしているのではなく、「“観客” の思考をコントロール」しているのです。
一瞬の、あるいは、ちょっと長めの「時間」を挟み込むことで、観客に「思考の整理をさせたり」「気づきを与えたり」しているのです。「あ!」と気が付いた時には笑わざるを得なくさせているのです。
つまり「笑わせる目的」で「間を作っている」のです。
このように「間」には「作る間」と「生まれる間」があるのです。
いずれにしても観客の感情になんらかの作用を与えるわけですから、「間が上手く使える」ようになりたいですよね。
以上
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百三十七通目」は2024年8月28日の記事
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 百三十九通目」は2024年9月11日の記事