PS5値上げー。キングダムハーツへの影響はどうなる?
9/2より日本国内におけるPlayStation5および関連周辺機器の価格が値上げされ、ゲームファンの間に衝撃が走った。ということで今回はPS5の値上げによりキングダムハーツに与える影響について考えるー
(あまり明るい話ではないため注意!)
▮PS5が衝撃的な価格に・・・
まずはPS5の価格値上がりに関して簡単にみていく。ソニーは価格改定に関して下記の通りに説明しており、昨今の物価高と円安が重なったことが要因であると考えられる。
昨今の世界的な経済情勢の変動などの厳しい外部環境を受け、当社ビジネスへの影響を踏まえ、このたびの決断にいたりました。
改定後の価格(税込み)は通常版が¥79,980、デジタル版が¥72,980となり、リリースした2020年11月と比べると通常版が¥25,002、デジタル版が¥29,002も値上がりしたことになる。あわせて周辺機器も値上げされコントローラーは1万円を超える価格(¥11,480)になった(コントローラーは消耗品のためこれはかなりキツい)。従来、ゲームハードの価格は年数経過によって値下がりするのが常識だったが、二度の値上げを実施したPS5は悪い意味で覆す結果となってしまったー
例えばスクエニのCS向けゲームのパッケージ価格は¥7,000~¥10,000であるため、本体とセットで購入する場合は¥90,000~¥80,000必要となり、学生はもちろんのこと社会人の方でも気軽に手に取れる価格ではないことがわかる。そもそも値上げ前から¥54,978(税込み)と値が張っており、もともと手を出しにくい価格帯であったこともあり、今回の値上げ前に発売された『ファイナルファンタジーⅩⅥ』や『ファイナルファンタジーⅦリバース』ですら、世界中から期待されていたにも関わらずPS5独占として発売したことによって売り上げが期待を下回ったとスクエニが発表していた。
となれば今回の値上げによってPS独占販売はさらに厳しくなるだろう。また今回の値上げにあわせて今後発売されるであろうアップグレード版のPS5Proや後継機のPS6も高額になることは容易に想像できるだろう。
令和の時代、ソシャゲをはじめとした基本プレイ無料のゲームが沢山リリースされている上にCS機のクオリティに近づいていることや、性能面では劣るが幅広い層が楽しめるソフトが多い且つ本体価格も比較的安いニンテンドースイッチが普及していることを考慮すると、日本国内では特に若いユーザーのPS離れが今まで以上に加速してしまうかもしれない。また動画配信が当たり前になっており、無理してゲームを購入しなくても済んでしまうケースが増えているため、特にグラフィック重視のストーリーをみせるゲームは苦しくなっていくかもしれない。
▮キングダムハーツに与える影響
ここからはPS5値上げによるKHへの影響を考えていくが、単刀直入に言うと売上本数が激減するといった心配は不要だと考える。何故ならスクエニは決算報告にて任天堂プラットフォームやPCを含むマルチプラットフォーム戦略へ転換すると発表しているためだ。価格高騰によりPSでの購入者は減るかもしれないが他ハードへのマルチ展開によりむしろソフト全体の購入者は増える可能性がある。
とは言え、前言撤回になってしまうが売上本数に全く影響がないとも言い切れない。KH4は2024/09/06時点で初報トレーラー以外の情報が公開されていないため、これまでのスクエニの傾向から第二報、発売時期(年)決定、発売日決定の最低でも3本のトレーラーが控えていることを鑑みるとKH4の発売時期は2026年以降になると思われる。そうなってくるとKH4はPS6(PS5縦マルチ)、任天堂スイッチ後継機、Xbox、パソコンでの発売になる可能性が高い。
PSは6~8年周期で次世代機を発売しておりPS5は2020年発売だったため、2026年にはPS6が登場している可能性は十分に考えられる。当然価格はPS5よりも高くなるだろう。一方、Nintendo Switchはマシンパワーや容量が足りないためマルチ展開を目指すならクラウド版という選択肢もあるが任天堂スイッチ後継機が選ばれるだろう。任天堂スイッチ後継機は2025年の発売が見込まれているがその性能はPS4並と噂されており、Nintendo Switchよりも高性能になることが想定されるため、現行のNintendo Switchの価格¥32,978(税込み)よりも高くなると思われる。同性能と噂されているPS4を基準に考えるとPS4の販売当時の価格は¥39,980だったが、PS5同様に物価高や円安を考慮すると¥40,000~¥50,000になることだろう。
つまりPSだけでなく任天堂ハードも昔と比べると手を出しにくい価格帯になる可能性があるため、ハードが変わっても長年追い続けている既存のKHファンはさておき、新しくKHに触れる新規ファンは増えにくくなるかもしれない。『バース バイ スリープ』や『358/2 Days』などKHの物語の途中から入ったプレイヤーもいると思うが、その頃はPSPが¥20,790、DSが¥15,000とゲーム機本体は比較的安価で購入でき、ソフトも¥5,000~6,000程だったため、「ディズニーのゲームだから」とか「パッケージが気になった」などの漠然とした理由から何となく買ってみたという人もいるのではないだろうか。しかし本体+ソフトの購入で¥50,000~¥90,000程かかるとなるとその頃のように手軽に手に取ることは厳しいため、KHを知らない人やあまり詳しくない人が何となく購入するケースは少なくなるだろう。また既存のKHファンでもKH新作だけのためにハードを購入するケースはさすがに減ると思われる。この辺の話は、皆様が普段プレイしないKH以外のゲームに置き換えて考えると容易に想像できるだろう。
となると『キングダム ハーツ』に限った話ではないが、未来は明るくないかもしれないー
▮どうすればいい?
それではどうすればKH4の売上本数を増やすことができるのか。我々にできることは野村ディレクターやスクエニを信じることのみ。あとはどれだけリリースに時間が掛かってもKHを愛し続けると誓うのみ。(僕は配信者という立場で布教もし続ける)
素人の考えであるため得策かどうかはわからないが、スマホ向けにリリース予定である最新作『KHML(ミッシングリンク)』で導線を引くのも有効だと考える。基本プレイ無料のソシャゲであるため、手に取りやすく若者をはじめとした新規層にKHを知ってもらう機会になるだろう。そのためには『KHML』をプレイしてKHを好きになってもらわないと意味がない。もしここで躓いてしまうと新規ファンの獲得に失敗してKH4に繋がらず、KHシリーズは闇に堕ちてしまう危険もある。
そのため『KHML』は既存ファンよりも新規層に配慮した方がいいのかもしれない。例えば過去作を知らないと理解できない要素(物語・設定など)を徹底的に排除したり、過去作を全くプレイしていなくてもKH4を楽しめるよう『KHML』内で過去作の大事な部分を追体験させるなど。他にもディズニー要素を強めにするのも有効だと思う。従来のKHシリーズ同様にディズニー映画の世界を冒険して物語を追体験できることは大前提として、『KH3』のようにディズニーキャラと写真撮影できたり、『KHUX』の時のようにディズニーモチーフのアバター衣装を大量に投入するなど、ディズニー要素盛り盛りだとKHを知らないディズニーファンが触ってくれる可能性もあるだろう。
他にも可能であるのならSteam版やNintendo Switchなどへのローンチも有効かもしれません。スクエニは決算報告にて『SDタイトル(ソシャゲ)はiOS/Androidに加えてPC等のローンチも選択肢として検討』すると発表しているため既に動いている可能性もある。『KHML』は位置情報ゲームであるが『家にいながら遊べる位置情報ゲーム』がコンセプトでもあり、APさえあれば外に出る必要が無い。そのため『FF7EC』のようにスマホ版とアカウントを連携させて、外を歩いて稼いだAPをパソコン版で消費してプレイするといった遊び方も出来るはずだ。他にもミッションでAPを獲得したり、APを有料販売することでパソコン版のみで遊ぶことも技術的に不可能ではなさそう。
昨今、良質なスマホゲームが多くリリースされており、既に幾つかの作品を遊んでいるユーザーも多いだろう。しかも3Dゲームやフルボイス系の作品も多くあるため、スマホの容量が足りないと嘆くユーザーも多い。また『KHML』は従来のKHさながらの3Dアクションであるため、一昔前のスマホではスペック不足でまともに動かない、そもそも対応しないということもあるだろう。
『KHML』はKH4にも繋がる物語と言及されているため、スマホだけでリリースするのは新規層にも既存のKHファンにも優しくなく危険だと思う。なので素人の考えではありますが①『KHML』は新規層を第一に考えること、②昨今のスマホ事情を踏まえてマルチ展開すること、この辺が重要でありKH4の売上にも繋がってくるのではないかと考えます。
『KHML』や『KH4』の続報が全く無いのは、開発陣が既にこのような課題に対して対策を検討しているためかもしれません。ゲーム開発はボランティアではなくて利益を出さなければならないため、野村ディレクターをはじめゲームクリエイターの方々は日夜頭を悩ませていると思います。今回の話はスクエニだけでどうにかなる話ではなく、経済事情や昨今のゲーム市場の問題が根深く絡み合っている気がするため、我々プレイヤーは大人しく見守って待ち続けようー。