ランドバンキング投資とは?ローンノート型投資の魅力とリスクをMBAホルダーでファイナンシャルプランナーが解説
MBA・FPオフィスALIVE代表の國弘泰治です。
ランドバンキングと聞くと、何のことと思う人も多いかもしれません。
確かに自分も何のことなのかと海外系を案件を扱う前は私も思っていました。
そこで今回はランドバンキングについて説明していきます。
少額から始めるランドバンキング投資:ローンノート型の仕組みを理解する
ランドバンキングは空き地や空き家を取得して、周辺の土地を含めた地域を一体的に活用や再生をしていく方法です。
不動産投資というとローンを活用して1000万円以上の投資用物件を購入するイメージがあるかと思いますが、ランドバンキングについてはイギリスの場合であれば10000ドル(約150万円)から投資が可能です。
投資カテゴリーはローンノート型の投資となっています。
次にローンノートの説明に移ります。
ローンノートの仕組み:初めての方に向けた解説
ローンノートというと初めて聞く方って8割から9割はいらっしゃるかと思います。
ローンノートは何かといいますと以下のようになります。
投資家に対して資金を提供し、不動産開発や投資プロジェクトに使用される債券型の投資商品です。ローンノートは、日本で言うところの約束手形や社債に似ており、主に次のような特徴があります。
役割としては以下の通りです。
資金の提供
投資家は不動産開発会社やプロジェクトに資金を貸し付け、その見返りとして利子を受け取ります。
固定または変動金利
ローンノートは固定金利または変動金利で設定されることがあり、契約期間中に一定の金利を得ることができます。
償還期間
ローンノートは、契約期間が決まっており、通常は短期間(1〜5年)のものが多いです。契約終了時には元本が返済されます。
担保の有無
担保付きのローンノートでは、プロジェクトの不動産が担保として設定されるため、投資家の元本が一定程度保護されます。一方で、無担保の場合はリスクが高くなります。
次にローンノート型のメリット・デメリットについて語っていきます。
ローンノート型投資のリスクとリターン:メリットとデメリットを比較
ローンノート型は企業やプロジェクトが資金調達を行う際に利用される「借用証書」の一種とのようなことを説明しました。
では、ローン・ノート型投資が具体的にどのようなメリットとデメリットを持つのかを詳しく見ていきましょう。
ローンノート型投資のメリット:安定利回りとリスク分散の魅力
それではローンノート型のメリットについて説明していきます。
安定した利回りが期待できる
ローン・ノートの特徴のひとつは、固定利回りです。あらかじめ決まった利息を定期的に受け取ることができるため、株式投資のように値動きを気にする必要がなく、安定したキャッシュフローを期待できます。
元本返済の優先順位が高い
ローン・ノート型投資は、借り手が破綻した場合でも元本返済が優先されるケースが多く、株式投資と比べてリスクが低いとされています。
これは投資家にとって大きな安心材料です。
利息収入の獲得
ローン・ノートを保有している間は、利息収入を得ることが可能です。
特に、安定した企業やプロジェクトに投資する場合、予測可能な収入が見込めるため、資産運用の一環として取り入れやすい投資手法と言えるでしょう。
条件のカスタマイズが可能
ローン・ノートは投資家と借り手の間で柔軟に条件を交渉できることが多く、金利、返済スケジュール、担保の有無など、双方のニーズに合わせて設計することができます。
ローンノートのデメリット:投資家が知っておくべき5つのリスク
次にローン・ノート型投資のデメリットについて説明していきます。
流動性が低い
最大のデメリットは、流動性の低さです。
ローン・ノートは通常、取引市場で売買されないため、投資した資金を途中で引き出すのが難しく、長期間にわたって資金が拘束されるリスクがあります。
借り手の信用リスク
ローン・ノートは借り手の信用力に依存するため、信用リスクを伴います。
企業が破綻すれば、元本の回収が難しくなる可能性があり、投資先を慎重に選ぶ必要があります。
変動金利のリスク
一部のローン・ノートでは、金利が変動する場合があります。
金利が下がれば、期待したリターンが得られない可能性があり、固定利回りとは異なるリスクが存在します。
契約条件の複雑さ
ローン・ノートにはさまざまな契約条件が含まれており、金利や返済スケジュール、返済順位、担保など、投資家が理解しておくべき要素が多く、注意が必要です。
税務上の扱い
利息収入は課税対象となり、国や地域によっては株式のキャピタルゲインに比べて税率が高い場合があります。税務上の扱いを把握しておくことも重要です。
契約条件を見逃さない!ローンノート投資で不利な条件を避ける方法
メリット・デメリットについて説明しました。
デメリットについては対策次第でハードルを小さくなります。
流動性の低さへの対策
ローン・ノート型投資は市場で取引されないため、資金をすぐに現金化できないリスクがあります。この流動性の低さを補うためには、以下のような対策が有効です。
ポートフォリオ分散
流動性が高い資産(株式や国債など)と組み合わせてポートフォリオを構築することで、資金が拘束されるリスクを緩和します。
投資期間の確認
事前にローン・ノートの返済スケジュールや投資期間を把握し、投資資金が長期間拘束される場合に備えて計画的に運用します。
流動性の高いノートを選ぶ
一部のローン・ノートは流動性が高いものもあるため、より売買しやすいノートを選ぶことも検討します。
信用リスクへの対策
借り手が破綻した場合、元本が回収できないリスクがあります。この信用リスクに対応するためには、借り手の財務状況や信頼性を慎重に評価する必要があります。
対策は以下の通りです。
信用力の高い借り手を選ぶ
借り手の財務状況や信用格付けを調査し、安定したキャッシュフローや実績のある企業やプロジェクトに投資します。
担保付きのローン・ノートを選ぶ
担保があるローン・ノートを選ぶことで、借り手が破綻した際にも資産の回収ができる可能性が高まります。
信用保険の利用
信用リスクを補償するために、信用保険や保証付きのローン・ノートを利用することも有効です。これにより、借り手のデフォルトに備えることができます。
変動金利リスクへの対策
変動金利のローン・ノートは、金利が下がった場合に予想よりも低いリターンしか得られないリスクがあります。
対策としては以下の通りです。
固定金利の案件を選ぶ
金利の変動によるリスクを回避するために、固定金利のローン・ノートを選ぶことが最も効果的です。
金利上昇に備えたヘッジ
もし変動金利を選ぶ場合でも、金利上昇に対するヘッジ商品(例えば、金利スワップや金利先物)を併用することで、金利変動の影響を軽減できます。
契約条件の複雑さへの対策
ローン・ノートには複雑な契約条件が含まれることがあり、これを理解しないまま投資を行うと、不利な条件に直面する可能性があります。
専門家の助言を受ける
投資家としてローン・ノートの契約内容を十分理解するために、弁護士や金融アドバイザーなどの専門家の助言を受けることが重要です。
これにより、不利な条件に気づくことができます。
契約内容を細かく確認する: 返済スケジュール、利息、担保の有無、返済順位などの細かい条件をしっかり確認し、納得できる内容であることを確認します。
税務上の扱いへの対策
ローン・ノートから得られる利息収入は課税対象となるため、税務上の負担が大きくなる可能性があります。
税制優遇を活用する
投資国や地域によっては、利息収入に対する税制優遇措置が存在します。
適用可能な控除や優遇税制を調べ、活用することで税負担を軽減できます。
税務アドバイザーに相談する: 各国の税制は複雑で変動するため、税務専門家に相談して、最適な税務戦略を立てることが効果的です。
まとめ
ローン・ノート型投資には、流動性の低さや信用リスク、税務面での課題がありますが、これらに対する適切な対策を講じることで、リスクを大幅に軽減し、安定したリターンを得ることができます。ポートフォリオの分散、借り手の信用力の評価、税務対策の実行など、事前の準備が投資の成功に繋がります。
ローン・ノート型投資に興味がある方は、これらのデメリット対策をしっかり行いながら、長期的な視野で投資計画を立ててください。
わからないところがございましたら以下のアドレスまでお願い致します。
alive.kunihiro@gmail.com