Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

なるさ 療育学習室

応用行動分析が誤解される理由(私論)

2019.01.06 11:30

発達障害をはじめ自閉症への療育に、応用行動分析(ABA)はとても効果があるけど、なぜかあまり周知されていないというか、理解されていないというか、理解されづらいようです。

応用行動分析の基本については以下に書きました。



我が地域は田舎のため情報が少ないのか、療育を受ける施設が少ないためか理由はわからないですが、ABAはまったくと言っていいほど知られていないようです。

また、多分、おそらく、日本の心理士さんや療育をしている人たちの間でも、ABAを取り組んでいる人は少ないのではと感じます(実際に心理士さん同士の集まりでの印象)。


今回、ABAの流行らない理由、誤解される理由を勝手にまとめました。私論なのでエビデンスなしです。



シンプルすぎて分かったつもりになる

ABAの理論ってすごくシンプルです。「事前の出来事⇒行動⇒結果」というのが基本です。これだけといっていいかもしれません。例えば「お菓子売り場へ行く⇒泣く⇒お菓子を買ってもらえる」というような行動と環境の相互作用をみていきます。すごく単純。精神分析などの理論や心の発達に関する理論などと比較すると「こんなシンプルでいいの?」と疑問ももちたくもなります。シンプルすぎて分かったつもりで終わってしまいます。だから、「もーABA分かったしいいや」と他の理論に興味を抱くかたもいると思います。



用語が難しい

ABAの用語って意外と難しいです。随伴性、強化子、順向連鎖、阻止の随伴性、他行動分化強化…など用語も難しそうだし、理解するにも少し難しいこともあります。それで妥協してしまう人も多いようです。また、知人が言うには「漢字が多い」とも言っていました。確かに漢字の使用率は高いように思えます。とっつきにくい印象はあるかもしれません。



実践している支援者はまだまだ少ない

大学などにはABAを研究されている先生はたくさんいらっしゃるようですが、ABAを使う支援者が少なすぎるのは事実なはず。論文はたくさんある、エビデンスはある、でも実践はされていないという状況です。そのため、保護者さんたちにも周知されにくくなります。もちろん、公的機関(役所など)の保健師さんや障害福祉関係の方も知らない人が多いです。


「人は動物と同じではない!」と言われる

この言葉は実際に言われたことがあります。ABAとは異なる領域の教授さんも、そのようなことを話されているのを耳にしたこともあります。確かに、ABAは動物実験がもともと基礎になり、人間に応用されるようになったから、的確な批判にも思えるけど、よく考えると「人間も動物なんだよなー」。その他の批判として「この子の気持ちはどうなの?」「感情がおいてけぼり」ということも言われたこともあります。よくありがちな批判ですが、このことに関して、どのような教育を受けたか、そして価値観が異なると、そのような意見のでることは仕方ないとも考えてます。


以上が勝手に考えたABAが流行らない、または誤解される理由(私論)です。

これらの理由を考えながら、保護者さんや他の支援者さんたちと協力していくことで、少しでも理解してもらえるように頑張るしかないですね。