生島尚美さんエッセイ / 新・バリ一代ドタバタ記 (メルマガvol. 81より転載)
第12回 Caravanはおかげさまで順風満帆、
百戦錬磨で「ふふふ♡」と思っていた矢先!
皆さん、こんにちは!
すっかり季節は乾期から雨期に移ってまいりました。
季節感のないインドネシア、と言われますが実は果物の旬もしっかりありますよね。
暑くなってきたインドネシアに反してどんどん寒くなる日本。
3年ぶりに日本の秋を体験して来ました。
奈良、東京、横浜と3カ所で行なったsisiの販売会には面白いことに、ジャカルタ、スラバヤ、チカランなどで 知り合ったお客さまがたくさん来て下さって、それはまるで「同窓会」のようでした。
皆さん、一様におっしゃるのは「インドネシアが恋しい!」という言葉。
まだまだ現役でインドネシアで生きていっている私にとってもとてもうれしい言葉でした。
じゃあ今回も張り切っていってみましょう!!!
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いきなり失礼・・・バリを出発する際の儀式です。
「なんのために"Caravan"は行うのか」
初回の単独イベントに続いて行った実質初の"Caravan"は半年後ぐらいだったでしょうか。
会場はKemangの人気カフェ「KOI カフェ」(初単独イベントの際に初日、呑気に下見に行った場所)。
2回目、3回目のCaravanも行なった「KOI」では本格的なワークショップも行いました。「ジャムゥ教室」、「アクセサリー作り」、「コーヒーの淹れ方教室」などなど。
"Caravan"主催者である私は、特に初めて参加する作家さんやショップさんにその時間は「売り上げをあげる時間」として考えず「お客さまと仲良くなる貴重な時間」「普通の買い物だけでは終わってしまわないための「たのしみ」の時間」にして下さい、とお願いしました。
ジャカルタで行われているワークショップって、参加費が結構高いんです! 45万ルピアぐらいでも安いほどで60万ルピアぐらいのものもある!
もちろん場所代が圧倒的に高く、また、そのワークショップで生計を立ててらっしゃる方のものなので当然と言えば当然なのですが、Caravanのワークショップは参加費平均10万ルピアから20万ルピア。「コミュニケーションの場」として沢山の絆を作って行くとても貴重な場になっていると思っています。
ほぼ毎回作っているノベルティ(無料で配っているエコバッグなど)もCaravanの特徴かもしれません。
実は初期の頃には選べる「ルームフレグランス」なんかもあったのです。皆さんが日々、それらを使って「Caravan面白かったなぁ」と思い出して頂けたら最高です。
実は集団行動が苦手な私。既存のバザーに参加せず(近年参加することもあります)売り上げ自体は下がるものの、仲間を募り、大変ながらsisiが主催して行く理由は苦手な集団行動だからこそ「選りすぐったメンバー」で行っています。
毎回少しずつメンバーが変わるのですが、バリ島からレギュラーで行ってるメンバーは様々な困難とよろこびを分かち合った戦友のようなもの。ツアーを始めた最初はドライバーさんを探すのにも一苦労。実際5年ほど前はそこまでオンラインタクシーも流通していなかったのでしょうか。バリでは味わったことのないジャカルタの酷い渋滞に右往左往。ウブドでは、下手すりゃ気付かない「断食月」にどう対応していいやら。滞在先も分からないなりにビジネスホテルを借りて、朝の渋滞を読めず遅刻して走ったあの頃!
今はオンラインタクシーとブルーバードを使いこなし、仲良しのお客さまの車に乗せて頂いたり。「エアビ」と呼ばれる民泊のサイト(https://www.airbnb.jp/)で1週間単位で部屋をお得に借りて、断食の時もちゃんと対応しています。
時にはCaravanのお客さまとなる日本人のご家族がたくさん暮らすアパートメントの1室に部屋を借り、フロントやエントランスが見えるお部屋から延々と人の出入りを眺めたこともありました。何時に旦那様たちは出勤し、幼稚園のお迎えは何時、小学校は? 皆さんはその時にすでに外出できるほどキッチリと身だしなみを整えてらっしゃる…
PAPAYAなどにお買い物に行かれる様子や帰ってこられる様子をストーカーのごとく(特定の方を見ていた訳ではありません)観察していました。
私はきっと何も知らないゼロのところで色々リサーチして仮説を立て、試みてひとつひとつ「立証」していく作業がとても好きなのだと思います。今となっては直接「どういうものですか?」と聞ける仲良しの方々がジャカルタ、そしてチカランにも増え、あの頃では考えられないほどです。
と、同時に余裕ができると見えてくる皆さんの「苦悩」。
チカランAXIAでも開催され大好評でした。楽しそうです。
楽しいことは「楽しい!」と単純に笑って過ごせたら良いのですが、それぞれに抱えていらっしゃる悶々とした問題。それは私のバリ島においての問題とは異なる、駐妻さんには駐妻さんの、お勤めの方にはお勤めの方の、経営者には経営者の悩みがある。私がバリ島から来てて、ここにはいない、という「距離感」と、でも、「インドネシアのことは分かっている」という共通項で、お話を聞く機会が増えれば増えるほど、私に解決できるわけではありませんが、寄り添えることもあるだろうな、と思っています。
皆さんから色々教えて頂いて、Caravanの会場がおしゃれな「KOI」から、1軒まるごと借り切れるレンタルの建物になり、ジャカルタの作家さんたちを多く招き規模を大きくして行き、そしてそれを経て やはり「アクセスが大事」とのことで、たくさんの日本人のご家族が住むアパートメントのファンクションホールなどで、となっていったのは2016年頃からです。
でも、今後もまた一軒まるごとの会場でしてみたいな、とも思っています。
すっかり要領も得て、知名度も上がり「ふふふ♡」と思っていた時に、事件は起こるものですね...トンデモナイ、百戦錬磨(?)の私も全く予想出来なかったことが今年の初夏、起こったのでした。
<次回の掲載につづく>