Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

リフォーム解体新書~ペーパーホルダーの設置に必要な壁下地がなかった

2024.10.11 03:00

リフォーム現場のトラブル解決
リフォーム解体新書

第13回 壁紙リフォーム(前編)


ドキッとする“解体あるある”を集めました

「工事現場は場数を踏んで覚えるもの」と言われますが、現場の数だけ発見があると言えるくらい個々に違いがあります。中には「解体してびっくり!」ということもあるでしょう。

そこで、場数をたくさん踏まずとも「見えない必要工事」を予測できるよう、工事現場にありがちな解体あるあるを集めてみました。

今回は壁紙工事の現場でありがちな事例を集めました。壁紙の張り替え工事は、解体するといっても壁紙を剥がすだけなので「開けてびっくり」ということは少ないように思いがち。しかし、「施工前の注意を怠ったがために再施工になってしまった」という話が多いのもこの壁紙工事です。図面で施工数量を計算するだけでなく、現場の状況を確認することが大切です。



《事例3》
ペーパーホルダーの設置に必要な壁下地がなかった

せっかく張った壁紙を剥がすことになる?

トイレの壁紙張り替え工事が完了し、あとはタオル掛けとペーパーホルダーを取り付ければ完成です。せっかくきれいになるのだからと、施主の希望でペーパーホルダーは2連棚付きの新しいものに交換します。…とそこまでは良かったのですが、なんとここにきて問題発生!?

新しいペーパーホルダーを職人に渡すと「このホルダーは壁下地がないと取り付けられないやつなんじゃない?」と言われてしまったのです。施工説明書を確認すると、確かに壁下地が必要と書いてありました。「え、せっかく張った壁紙を剥がさなきゃいけない?このままボードアンカーで付けるわけにはいかないの?」という事態になってしまいました。


【解決策は?】施工説明書通りに下地を入れなければ危険

壁紙は壁をきれいに仕上げますが、言い換えれば壁の下地を隠してしまいます。住む人はペーパーホルダーがしっかりと壁に固定されているものと思って使用します。このケースでは残念ですが、壁紙を剥がして下地を入れ、再度壁紙を張る必要があります。既存のペーパーホルダーは一般的なもので、ボードアンカーで設置することが可能な商品だったのでしょう。しかし棚付きのホルダーは、立ち上がりの時に手をつくことを想定して設置方法を決めているものもあるので、工事をやり直すことになっても、施工説明書通りに設置しなければなりません。職人が壁紙工事や水道工事の他に大工工事もする多能工ならよいのですが、そうでなければ大工の手配が必要になります。

▲「品質管理」は工事の鉄則


【どうすれば事前にわかる?】アクセサリーを新しくする時は商品の施工説明書を確認する

トイレの壁紙工事では、ペーパーホルダーやタオル掛けを新しくしたいという要望がよくあります。事前に施工説明書を確認すれば、このような失敗を防げるでしょう。ただし着工してから確認するのでは遅いです。商品を選定する際に確認しておけば、下地工事の予算と職人の手をあらかじめ確保することができて、慌てる事態にならないでしょう。下地が必要なアクセサリーを設置する時は、打ち合わせ段階で下地の有無を確認して、下地工事の必要があれば見積もりに反映します。



[こんな現場もあります]
「どうしてタオル掛けに下地が必要なの?」

商品の施工説明書に下地について明記されていればよいのですが、そうでない場合、下地が必要なのか迷ってしまいます。確かにタオル掛けは軽量で、落下することは想定できないかもしれません。

しかし洗面所のタオル掛けがグラグラになっている現場もあります。理由は、「子供が背伸びにしてタオルで手を拭くから」「足が弱っているので、お風呂に入る時についタオル掛けにつかまってしまう」など様々。タオル掛けにも下地を付けておく方が安心です。



リフォマガ2024年5月号掲載



⇓⇓同じテーマの記事を読む⇓⇓