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エンタングルメント・マインド(Entanglement Mind)

読書感想文 『安曇野殺人事件』 大地 光(著)

2024.09.14 13:59

 助手の小布施が連れてきたのは、和装の若い女性だった。最近、父が病死し、弟は焼身自殺したという。遺産相続で争いが起こりそう、ということに興味を持った加納は小布施とともに、女性の住む安曇野に向かった。そこで次々と事件が発生する。ついには加納たちの身にも危険が迫る。


 探偵と助手が掛け合いをしながら推理を組み立て、危険に巻き込まれつつも犯人を追い込んでいくという、まさにオーソドックスな探偵小説です。

 神社の再建や、安曇氏の由来など、歴史が事件に関係していたりしますが、どっぷりということでもなく、さっぱりくらいの関わりですので、古代史などに詳しくない方でも安心です(笑)。ストーリーに触れるとネタバレしそうですので、あまり感想を書けないのがつらいところです。

 ストーリー以外のところでは、登場人物たちの会話が特徴的でした。登場する誰もが、ぎこちないような、慇懃無礼なような、そんな言い方でずっと会話が繰り広げられます。なんというか、昭和の探偵小説を読んでいる感じがしました。おもしろかったです。