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ながさわらむの酔いどれ天使になる前に

シベリア鉄道

2019.01.07 12:36


窓の外は1面こちらを無視して通り過ぎる雪だ

君の吐く息が車窓に当たる度に窓は白くなり君は嬉しそうにそこにニコちゃんマークを書き入れる。数秒後には消えてまた息を吹きかけてニコちゃんマークを書き入れる。

静かな車内だ、この鉄道が何処から来たのか寝起きの俺は考えていたけれど頭がユラユラと揺れるのでまた次に起きた時に思い出すことに決めた。

君が自分の吐く息で作った作品を作るのに飽きたのか俺の肩にもたれかかってうたた寝を始めた頃俺はまた静かに眠りについた

その瞬間ガバッと俺は目が覚めた。

聞いた事のある音楽が右耳に入ってきてここが俺の部屋だと気づいた。

うっかり宿題をしている途中に眠ってしまっていたのだ、どれくらい寝てたのか分からないが頬と腕にはくっきりとペンと机の跡が残ってしまっていた

最悪な気分だ、明日は朝早くから学校にいって動物の世話の当番の仕事をこなしてそれからテストだ

何も面白いことなんかない。はやく大人になってこんなクソッタレな生活からは抜け出すんだ、大学なんかいってたまるかテストや課題なんてクソだ、つまらない。明日のことを考えると目眩がしてきた、深い瞬きをした瞬間、

俺は重たいアタマで目が覚めた、

そうだ昨日は俺の誕生日パーティーだったんだ22歳、まだなんでもできる気分だ。窓の外は若干白けだしている青空で出勤中のサラリーマン達があくせくと動いている。タバコに火をつけようと思ったがとても気持ち悪くてそんな気分にはならなかった。

右隣の部屋からは早く起きた友人達が一服キメながら聞きなれた音楽を聞いている。

水を蛇口から空き瓶にいれて俺は飲み干したあと、ふらつく足で隣の部屋に向かおうとしたが寝そべって布団にもぐっていたデブの友達に気づかず躓いて俺は廊下にアタマをつよく打ち付けて倒れた。

瞼をゆっくりとあけてさっきまで夢をみていたんだと気づいた。夢の中で夢をみていたなんて奇妙な気分だ。

見慣れた一人暮らしのこの部屋。3度目の冬。右耳から聞きなれた音楽が聞こえる。イヤホンをつけたまま眠ったんだろうか。右手を耳に伸ばすがイヤホンの気配はない。アタマがいたい。この爆音はどこから聞こえているんだ。

左には全身が緑色の女が眠っていた。先程触った俺の耳にピアスが3つ。

ああ、また夢かやっと気づいた。もう一度目を瞑ろう

目が覚めた、鮮やかな朝だ。見慣れた一人暮らしの部屋で俺はスッキリと目覚めた。

大きなソファーから降りて昨夜読み漁っていた画集をどけて飲みきらなかったフローズンダイキリを口に含む。いつもの歌をハミングしながら気づいたが右側から伴奏が聞こえる。しまった、まだ夢の中だ。いちおう右耳を確認するがイヤホンの気配はない。代わりに右をみると蛇が2重の目をつけて俺に真実をつまらなそうに俺に伝えてきた。

瞼を開くとまた自分の部屋だ相変わらず右側からはあの聞きなれた音楽。

歌手が誰だったか思い出せない。

大きな音に耐えきれない。俺は疲れていて眠りたい

耳を触ろうとしても触れない。たしかにイヤホンをしている感触があるんだが。

それにこの歌、誰のなんの歌だったけ。

目が覚めて天井をみつめた。ますます音楽は大きくなっている。耳をさわる。イヤホンは触れない。音楽は止まらない

目が覚めて天井をみつめた。ますます音楽は大きくなっている。耳をさわる。イヤホンは触れない。音楽は止まらない


目が覚めて天井をみつめた。ますます音楽は大きくなっている。耳をさわる。イヤホンは触れない。音楽は止まらない

目が覚めて天井をみつめた。ますます音楽は大きくなっている。耳をさわる。

耳をさわる。耳をさわる。頼むから音楽をとめたい。耳を掻きむしる。ここが夢の中だってのも分かってる。寝ている俺よ寝相でいいからこの俺の心を感じて耳を触るんだ。

目が覚めて天井をみつめた。ますます音楽は大きくなっている。耳をさわる。イヤホンは触れない。音楽は止まらない。耳からは緑の生き物が3匹


ガバッと目が覚める

見渡す限りの内装がすべて緑色でできたタクシーの中で俺は目が覚めた、カバの顔をした運転手はプクーと風船を膨らませている。助手席の檻の中では檻の中のライオン達が群れを為して大移動をしている。隣りの席の古い型のラジカセから途切れ途切れの音で音楽がかかっている。

ようやく目が覚めたようだ。俺の悪夢は終わったようだ。ところでこのタクシーは何処へ向かっているんだろう。窓の外はクジラの群れが星の隙間を泳いでいる。目を閉じて気持ちよくなったその時に俺は白い雪の中をあの子と列車にのっていた夢を思い出していた。


ピリリリリ

目覚ましの音がして俺はガバッと目が覚めた。

お気に入りの音楽が目覚ましで止められてしまったのだ。

朝が来た

外は身を切るような寒さだ。

耳についていたイヤホンをとり歯を磨いて分厚いジャケットを羽織って近所のコンビニに向かった。

俺の22歳の誕生日。まだ明るくなったばっかりだ。