三代目❤夢小説 『NAOTO編43』
2019.01.08 23:00
後から地元の漁師もやって来て結構な賑わいになってきた。
厨房にいた店の主人が表に出てきて三線(サンシン)を奏で、指笛が鳴る中、ウチナーンチュ(沖縄の人)がカチャーシーを踊り始める。
10人定員の店に13人の客、真ん中の空間はどうやら宴もたけなわになった時に、ウチナーンチュと観光客が入り乱れて踊りを踊る為のスペースのようだ。
長椅子に客がひしめき合っているので、自然に直人とまりあの太腿が密着している。
「すみません、汗かいちゃって…」
「ごめんね!くっついてるから暑いでしょ?もう帰ろっか?」
「直人さん、まだ飲み足りないんじゃ?」
「そーだね。飲めと言われりゃいくらでも飲めるよ」
「お酒持って海に行きませんか?」
「砂浜で飲むの?ハブとか出てこない?」
「私が一緒だから大丈夫ですよ」
「何にします?ビールか泡盛」
「せっかくだから泡盛貰おっかな?」
「水割りでいいですか?」
「そだね」
泡盛とミネラルウォーターと氷を用意してもらい、おつまみも入れたバスケットを持って2人で外に出た。
街灯のない夜道だが、月明かりだけで十分に明るい。
「バスケット貸して」
「直人さんはお客様だから、私が持ちます」
「エスコートするくらいならいいでしょ?貸して」
直人はまりあからバスケットを受け取り、あいてる手をスッと差しのべた。
少し躊躇していたまりあも、お酒の勢いもあってか直人の手を握った。
二人で手を繋ぎ、海へ続く道をゆっくり歩く。
満月だけが二人を優しく見守っている。
つづく