布薩の効用
鎌倉にある円覚寺の横田南嶺老師とご縁を賜って1年が経ちました。
ある日の事、突然個人指導の依頼メールが来てとてもとても吃驚した事を覚えています。
その少し前に横田老師は私の師匠である甲野善紀先生の講座を受講されたとの事でした。その中で甲野先生が私を推薦して下さり横田老師が興味を持ち、ご連絡を頂いたという流れです。
それから月に一度、円覚寺へ個人指導へお伺いしています。
もともと円覚寺には何度か足を運んでいて、一度だけですが座禅会にも参加させて頂きました。
思えば10代の頃から仏教に触れ、20代でヨガに出会いここからも仏教に触れ(ヨガと仏教は繋がりが深い)、そして30代でまた仏教とご縁があり、私の人生にはいつも仏教があったなと感じます。そして、その考え方や捉え方に助けられ活かされているのは紛れもない事実です。
人は死んだらどうなるのかというのは、誰しも考えた事があるのではないでしょうか。私も人が死んで生まれ変わるとして、その生まれ変わった後に死んでまた生まれ変わり、また死んで…その先にはどうなっているのか。また宇宙が始まる前は?宇宙の終わりは?と子供の頃に考えて怖くて寝られない日々があった事をよく覚えております。そんな時に仏教の考え方や捉え方を学び、そう言った不安から解消されていきました。私と仏教にはそうしたご縁があります。
今年から横田老師の布薩の会に参加させて頂く機会が何度かありました。
布薩については横田老師の管長日記をご覧頂くと分かりやすいと思います。私も少し登場しています笑。
https://www.engakuji.or.jp/blog/38118/
ネットで調べると布薩は戒を再確認し、自身の日常生活に照らし合わせ反省や懺悔を行う儀式と出ています。
円覚寺の布薩は更に五体投地という礼拝も行います。
20代に入りヨガを学び、ヨガにも八支則(はっしそく)という教えがあります。そのはじめにヤマ、ニヤマというものがあり、ヤマとは禁戒、ニヤマとは勧戒という意味で、一般的にはしてはいけない事、するといい事と言われます。やはり戒を説いています。20代の頃は身体が整ってくる事がヨガの何よりの恩恵でしたので、あまりヤマ、ニヤマについては触れてきませんでした。30代も知識として知っていたという具合でしょうか。それが布薩に参加して改めてヨガのヤマ、ニヤマに着目する事ができるようになりました。ヨガでは段階的にヤマ、ニヤマを抑えてその次にアーサナ(ポーズ)やプラーマヤーナ(呼吸法)の段階に入ります。アーサナやプラーナヤーマの前にヤマ、ニヤマが入ってくる事の重要性を今になって体感として分かってきたのです。
横田老師の布薩は私の感覚ではヤマ、ニヤマ、アーサナ、プラーマヤーナを同時に行なっている感覚です。禁戒、勧戒を唱え呼吸を長くして発声し、五体投地をする。
とても良くできていて、素晴らしいなぁと布薩に参加する度に思います。やはりああいう整った場で、皆で一つの事を専心して行うと身心がリセットされる感覚があります。物事をうまく進めている人は切り替えが上手いと言いますが、切り替えができない時ほどあえて時間を作ってこういった事をする事が大事だと感じます。
前にボディーワーカーの方と話している時に、武術をやっている方はスタッカートが上手いという話をされていました。この時のスタッカートの意味は、相手と自分のそれまでを切ってしまうという意味合いで受け取りましたが、確かに武術的な動きではある面今の延長を切ってしまう事があります。それはある面、余計な思考の介入を防ぐためのものでもあると思います。
この話になると1つ記事が書けてしまいますのでこの辺りにしますが、やはり日々の生活もどこかで見直す為に区切るという事は重要です。その為に布薩は身心ともにリセットするとても良い方法なのだと実感しました。生まれ変わると表現してもいいと思います。
あらためて横田老師のとご縁のあった事に感謝です。
円覚寺の布薩に関してはこちらをご覧下さい。https://engakuji.peatix.com
チケットは人気アーティストのライブチケット並みに取るのが難しいです。その月の布薩の1日か2日後にチケット情報が出ますので、気になる方は要チェックです。