瞑想会
Facebook天外 伺朗
7月9日(土)は、札幌で天外塾「宇宙の流れに乗る生き方塾」第3講。前月に、癌患者のために開発した「死と再生の瞑想ワーク」を実施したが、これがすさまじい効果を生むことがわかった。
このワークは、四つの長いスートラを108回となえる、という苦行。さすがに毎日108回は大変なので、36回づつ唱えていた塾生が次のような報告をしてくれた。瞑想を始めてすぐに、取引先の客に癌が発覚するという共時性があった。その人は恩人なのだが、酒を飲むと悪口と自慢が始まるので、苦手だった。ところが、人が変わったように、悪口も自慢も出なくなったという。もちろん癌になったことで、意識が変わった可能性はあるが、私には「死と再生の瞑想ワーク」の効果のように思えた。
8月27・28日に岐阜の船戸クリニックで、この瞑想法と、ラムダスが開発したバルド・トドゥルを用いた「死の瞑想」、「リバーシング(再誕生)ワーク」などを組み合わせた癌患者のためのワークショップを開くが、募集前に満席になってしまった。半分は医療者が来る。来年の1~3月、茅ケ崎で通いで同じワークを行う(全3回)。会場は、駅から徒歩5分。歩いてこれる程度の癌患者に来た欲しい。
https://intojapanwaraku.com/rock/travel-rock/136651/ 【徳島の古刹・箸蔵寺で密教の瞑想法「月輪観」を体感】より
この記事を書いた人 東郷 カオル
この記事に合いの手する人 平安暴走戦士~chiaki~
空海(弘法大師)が日本に持ち帰った密教※。密教という響きには謎めいた神秘的な印象を受ける方も多いでしょう。密教をもとに空海が開いた真言宗には「阿字観(あじかん)」「阿息観(あそくかん)」「月輪観(がちりんかん)」という瞑想方法があります。なんだか修業を積んだ人でないと習得できない秘密めいたイメージですが、徳島県の古刹・箸蔵寺(はしくらじ)では「月輪観」を宗教的な難解さを薄めて一般の方にもわかりやすく紹介しています。所要時間は30分~1時間程度。ご住職による瞑想体験で密教の瞑想方法の雰囲気に触れ、自宅で心を整える方法として参考にしてみてはいかがでしょうか。
※空海より先に帰国した最澄は密教の一部を学んだに過ぎず、ここでは空海が完全な形の密教を持ち帰ったとしています
唐から日本に伝わった密教
密教は仏教の一宗派で、インドから唐を経て平安時代に日本へと伝わりました。遣唐使として唐に渡った空海は、密教の高僧・恵果(けいか)のもとで学び、大勢の弟子の中から後継者として指名されます。空海は恵果から密教の奥義を伝授され、法典や法具(加持祈祷の道具)、曼荼羅(まんだら)などを収集して806年に帰国し、完全な形で密教を日本に伝えました。
その後、密教の教えに基づき真言宗を開き、蓮の花に囲まれた蓮台のような山上の盆地(和歌山県・高野山)を嵯峨天皇から賜り、高野山金剛峰寺を開いて拠点としました。
壇上伽藍(だんじょうがらん):奥に見える朱塗りの塔「根本大塔」は高野山を象徴するもののひとつで、堂内そのものが立体曼荼羅を表しています
密教のイメージとしてわかりやすいのは、護摩(ごま・火を使った祈祷)や印(いん・指で様々な形を作る)、曼荼羅(密教の教え・世界観を絵にしたもの)、真言(しんごん・「真実の言葉」「秘密の言葉」という意味で、サンスクリット語なので呪文のように聞こえる)など、やはりどこか神秘的なイメージを与えるものが多いのが特徴といえるでしょう。
空海と四国の関係
空海は774年に讃岐国の屏風ガ浦(今の香川県善通寺市)の信仰心の厚い家柄に誕生。若いころに阿波(現在の徳島県)の大瀧ガ嶽や、土佐(現在の高知県)の室戸崎などで修業を行ったと伝わっています。四国には真言宗のお寺が数多くあり、空海が開創した四国八十八ヶ所霊場をめぐる “お遍路さん” は熱心な信者からだけではなく宗教の垣根を越えて、広く、長い年月受け継がれています。
また、海外にもよく知られていて、同じような巡礼文化 “サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路” のあるヨーロッパからは特に注目を集めています。コンパクトに折り畳むことができるイギリスの自転車BROMPTON(ブロンプトン)でナビゲーターと巡るお遍路ツアー(四国遍路ポタリングツアー)は、ガイド付きで気軽に体験できるお遍路として海外の観光客からだけではなく国内観光客からも人気です。
ロープウェイで行く古刹「箸蔵寺」
徳島県三好市にある箸蔵寺は、828年に空海が開創したと伝えられる古刹。空海はこの山頂に漂う不思議な霊気に導かれ山に登り、金毘羅大権現に会い、「箸を挙(あ)ぐる者、我誓ってこれを救はん」というお告げを受けたといいます。ここで言う “箸を挙ぐる者” というのは国民の全てという意味です。これが箸蔵寺の名前の由来になっているといわれています。
箸蔵寺へは箸蔵山ロープウェイで登れます
箸蔵寺は四国巡礼においては、四国別格二十霊場第十五番、四国三十六不動霊場第四番、四国三十三観音霊場第二十八番、百八観音霊場第六十九番、阿波西国三十三ヶ所第二十三番の札所寺院となっていて、また、“こんぴら奥の院” とも呼ばれ、多くの参拝者が訪れます。
讃岐のこんぴらさんのお祭りの時に使われた箸を箸蔵山にすむ天狗様が当山に運び納めたという「天狗の箸運び伝説」が地元で語り継がれており、これらのことより箸蔵寺は、「こんぴら奥の院 箸蔵山」の名で多くの方々に親しまれています。
引用:箸蔵寺
本坊から御本殿へと続く階段は般若心境の文字数と同じ278段(「佛説」から「般若心経」までの全ての文字を入れた数え方)。その一段一段に般若心経の文字が一文字ずつ刻まれています。
写経が経典を写すことによって功徳を得られるのと同じように、般若心経を心に念じて一段一段登ってみましょう
箸蔵寺で体験できる密教の瞑想体験
箸蔵寺では、予約制で密教の瞑想体験を行っています。
禅宗の座禅では雑念を取り払い心を無にしますが、密教の瞑想では一つのものを穏やかにゆっくりと考える、心に広げていくというもの。ここで体験できる瞑想方法は宗教的な難解さを薄めたものなので、宗派に関係なく誰でも気軽に参加できます。
※法要などで受入不可な日時もありますので、ロープウェイで行く箸蔵寺瞑想体験で予約・問い合わせください
密教の瞑想方法「月輪観」とは
先に述べたように、密教の瞑想方法には「阿字観」「阿息観」「月輪観」というものがあります。この中で「月輪観」はお月様を御本尊としてイメージを膨らませる瞑想方法で、初心者でも比較的取り入れやすいものです。
いよいよ「月輪観」に挑戦
それでは早速「月輪観」を体感してみましょう。まずは準備から。御本尊(月が描かれた掛け軸)の前に、片方の足を上げるような形で足を組みます。難しければ胡坐(あぐら)でもOK。私はスカートで参加したのですが、ふわっと広がり足がすっぽりと隠れるスカートなら可能(スカートの中で足が組めるもの)でした。ゆとりのあるパンツスタイルが一番適しているでしょう。
次に身体の位置を決めます。前後左右に体を揺らしながらバランスの良いところに落ち着きましょう。
体が定まったら、次は手です。左手の上に右手を置き、親指をくっつけます。これは曼荼羅の中心となる大日如来様の姿をかたどっていることになります。
お不動様は厳しい顔で、観音様は優しい顔で我々を導きます。中心にいて瞑想し悟りを味わっているのが大日如来様です。
真言宗は、自分たちが仏になるために修学して努力する修行法ですが、三密加持(さんみつかじ)という行に基づき、ここでは “形から仏になってしまう” というところからスタートしましょう。自身がまずは仏様になってみて、仏様はどういうことを考えるかということを考え実践してみる……ということで、形を真似るところから始めるのです。世界の中心で悟りを開いている大日如来様の形を真似し、近づき、なりきる。まずは形から入り、そこから心を近づけていくという方法です。
体の位置と手が定まったら、ゆっくりと鼻から吸って口から吐く腹式呼吸を続けます。箸蔵山の綺麗な空気を体中に取り込んで、自分の中にたまっている悪いものを全て吐き出す。これを繰り返します。
呼吸をしながらゆっくりと目の前のお月様を眺めます。集中してまじまじと見るのではなく、穏やかにお月様のまあるい輪郭を感じるくらいがいいようです。月を感じたまま、そこにあると思いながら、ゆっくりと静かに目を閉じます。うまくいけば目を閉じても先ほどの場所に同じようにお月様が淡く優しく輝いているのが感じられます。ちなみに私は一度目は失敗したので、再度目を開けてお月様を確認し、再び目を閉じるという動作を挟んでいます。
初心者がいきなり目を閉じて月を感じるのはなかなか難しいので、一度二度の挑戦でうまくいかなくても、できたと思って進んでいくといいでしょう。
ご住職に教えていただいたコツ:イメージとしては、眩しいものを見たあと瞼に残像が残るような感じでもいい(初心者向け)
さて、目の前のお月様を穏やかに眺め、ゆっくりと目を閉じます。目を閉じても同じ場所にお月様が輝いています。
そのお月様を少しずつ自分のほうに近づけます。ゆっくりとお月様が近づいてきます。
お月様がどんどん近づいて、自分の胸の中に入ってきます。
お月様が自分の胸の中で優しく光り輝いています。
ここからお月様を大きく広げ、また戻していきます。
自分の体が入る大きさまで広がる
部屋いっぱいの大きさまで広がる
さらに大きくなり、建物全体が入る大きさにまで広がる
箸蔵山全体が入る大きさにまで広がる
どんどん広がり、どこまで大きく広がることができるか……
今度は、大きくなったお月様を少しずつ元の大きさに戻していきます。
お月様はどんどんどんどん小さくなり、箸蔵山が入る大きさ、建物が入る大きさ、部屋が入る大きさへと戻っていきます。
体の前に戻すと、お月様は体から出てゆっくりと元あった場所に帰っていきます。最後にお月様は元あった場所に戻って、最初と同じように淡く輝いています。
目を開けて終了。
月の大きさはどれだけ心を大きくできるかということで、意外と子どもが大きくできるようです。大人になるほどいろいろなものに縛られているのかもしれません。お月様を大きくすることは、自分の心をいかに広げられるかということだそうです。
ちなみに私は瀬戸内海まででしたが、何度も体験している同席の方は宇宙まで広がったらしいです。スゴイ!私はまだまだ修行が足りません(笑)
自宅でも取り入れやすい密教の瞑想法「月輪観」
密教の瞑想なんて、私にできるのだろうか?緊張するかも……。私も最初、そのように思いました。ですが、箸蔵寺のご住職はリモート法要やZOOMによる特別護摩にも取り組む、現代のスタイルに理解のある方で、厳格な服装や姿勢を求められたりしません。厳しい修行ではないので、冬場は防寒のコートを着ていても大丈夫。
密教の瞑想方法と聞くと難しそうですが、ご住職は時代に合わせて宗教をわかりやすく紹介することを心がけておられ、「瞑想体験の機会に触れて雰囲気を味わってもらい、それぞれが自分なりの何かを見つけていってほしいと思っています」とのこと。紙に丸を一つ描けば自宅でもできるとのことですが、瞑想体験を受けた人には、塗香(ずこう)とラミネート加工された御本尊(お月様)が授与されますので、これがあれば自宅でもお月様をイメージしやすいですね。私も宇宙サイズを目指してお月様と向き合いたいと思います。
ラミネート加工された御本尊と塗香
意外と気軽に受けられる「密教の瞑想」という特別な時間を、徳島の古刹で過ごしてみてはいかがでしょうか。
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