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No.408 荻野佐和子 展 2018. 2.24/土~3.10/土

2018.02.24 02:00

~リトグラフ、ドローイング & 油彩画~ 

「ゆめむし」

夏に母がいなくなって、現実を受け入れられないまま秋が来た。

風に揺れる細い草の先端に母を感じ、それを作品にした。

雪の中にひっそりと残る枯草も描いてみた。

何枚も描くうち、2本の長い草が寄り添う形と、

母の節くれだった手の合掌する形と重なった。

私は、自分の絵の中にやっと、母の存在を感じた。

春が来て、若草に止ま るてんとう虫を見つけ、そっと手に取った。

母は、てんとう虫が大好きだったから。

そして、その上をゆったりと舞う蝶を見て、

母が、私を見ていると思った。

荘子の胡蝶の夢の話がよぎった。

蝶になった母から、今の自分を見ることを考えてみた。

季節が幾度も変わり、いつの間にか、私は、

母の視座で自然を見つめるようになった。

(荻野) 


荻野佐和子

{個展}

{グループ展}  

「ゆめむし 17-D-4 」 12x18cm ドローイング 2018