根本寺 鹿嶋市【鹿島紀行】
2024.09.23 21:00
松尾芭蕉の「鹿島紀行」をめぐる旅。
今回は瑞甕山根本寺。
612年(推古天皇20年)、聖徳太子が創建したとされる古刹です。
1191年(建久2年)、源頼朝により再興され、後に臨済宗の寺となりました。
1687年(貞享4年)、「鹿島紀行」の旅で芭蕉たちは根本寺へやってくるのですが、
芭蕉の禅の師匠・仏頂和尚がこの寺の二十一代目の住持でした。
芭蕉一行は仏頂和尚と久闊を叙し、ここで宿泊しています。
芭蕉たちの旅の目的は鹿嶋で月見をすることでした。
しかし、その日はあいにく昼から雨。芭蕉たちは諦めて寝床につきます。
ただ、さすがの芭蕉です。
みなが寝入った後、明け方ごろに少し晴れ、月が姿をあらわします。
それに気づいた仏頂和尚が一行を叩き起こします。
そして無事、芭蕉たちは月を見ることができたのです。
雨の音、ただあはれなるけしきのみ胸にみちて、いふべき言の葉もなし
と、芭蕉はそのときの感慨を「鹿島紀行」に書き記しています。
月はやし梢は雨を持ちながら 芭蕉
「鹿島紀行」の根幹をなす一句ですね。
しっかり句碑になっています。
つづきはまた明日。どうぞよき一日をお過ごしください。