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防災風土資源&ローテク防災術 -香川大学客員教授松尾裕治-

吉野川上流で最も高い鍛冶屋敷の高地蔵(東みよし町)

2024.09.25 03:14

東みよし町西庄の出口集落の「かじやしき生活改善センター」前に嘉永2年(1849)に建立された鍛冶屋敷の高地蔵があります。

この高地蔵は、三加茂町で天保13年に発生した加茂山騒動の犠牲者を供養するため造られたもので、東みよし町の指定文化財のお地蔵さんとして保全・保存されています。

現地でライカレーザー距離計を用いて、地盤から台座までの高さを測定した結果、この「かじやしきの高地蔵」は、高さが3.23m、台座高2.48mになりました。2024年9月11日の吉野川上流の高地蔵等の現地調査で確認した高地蔵13体の中で最も高いものであることが分かりました。

この他にも吉野川上流には、かつての渡し場に水難供養や安全祈願の高地蔵が多く残っています。

しかし、吉野川の沿川に住む多くの皆さんには、下流にある「東黒田のうつむき地蔵」など多くの高地蔵は、「高地蔵ガイドブック」で吉野川の洪水氾濫の危険性を知らせる地蔵として紹介され知られていると思います。しかし、上流の吉野川にも昔の騒動の供養や渡しの水難・安全祈願の高地蔵が残っていることは、あまり知られていません。

これらの高地蔵は、現在も地元の方の手によって大切に保全され、吉野川上流の昔の騒動や渡しの惨事を伝える貴重な防災資産であることを教えてくれています。

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