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あたる

2019.01.10 01:46

 焙烙で胡麻を煎って、すりこ木で胡麻をあたる。

胡麻を煎れば香ばしくなるし、すりこ木であたると香りが立つ。

さじ加減ができる道具で、ご飯を作るのが好きだ。


自宅忘年会の折、友人に効率が悪いから機械にすれば?と言われたが、

同じように料理ができても、きっと体内に吸収される感覚は違ってくるに違いないと、

少し頑固になって意地を通した。


効率良いって何だろう?


手間をかければ食事はおいしくなると思う。

手間を省いてもおいしいものでないと、毎日は続かないと思う。

料理においての効率の良さと、調度よさの自分とのバランスは、

制作においても置き換えられる。


続けていると、作業は上手になってくる。上手に淡々と作れることに違和感を感じて、

効率よく作れる方法から意識して離れ、

制作する度に作り方を忘れるようにしている。

変なことかもしれないけれど。

手道具と自分の身体感覚が伝わる、気持ちが良い方法を探っていたい。

それは器に伝わると信じている。


でも、生きていくためには糧も必要なので、

そのバランスも忘れないようにして、調度良いところを見つけたいけど。

時にリズムよく、時に時間をかけて。

ともかく、焙烙とすりこ木は使わなくなることはない。


年の節目に、大事なテーマを投げかけてくれる人が周りにいるのがありがたい。

今年もどうぞよろしくお願いします。


2019年、今年も春のアユミギャラリーの展示から。楽しみたい。