担がれたい人。
僕は性格が悪い。(6ヶ月ぶり6度目-domoku-)
その性格の悪さは、繊維入隊直後に工場現場作業員を経て営業職にコンバーションされたばかりの頃は、若気の至りと相まって、知識が乏しい繊維戦士たちを切り倒すことに喜びを覚えていたくらいである。
最悪の若造だ。
歴戦の紳士的な繊維戦士諸兄は、きっとこのような愚行などせず、日々、理不尽なアホマウンティングマンたちを相手に、ビジネスと割り切って粛々と物事を進めておられること、心よりお慶び申し上げます。
さて、僕も時を経て、刃を向けてよかった経験がほとんどないことに気付いて久しい。後輩からは「山本さんは牙を抜かれた腰抜け」とまで言われたことあるくらい丸くなった。いや、これは意志による成長である。と、ストイックさがさもあるように見せかけて自分を鼓舞してみる。
繊維業界に限らず、人は人の上に立ちたがるものである。
このブログでも何パターンかご紹介しているが、この業界にも当然、付き合ってはいけない人たちがいる。彼らが悪かどうかは、彼らの視点にたてば正義であることから、俯瞰的にみる必要があるので、「付き合ってはいけない」という考え方もまた、こちら側のバイアスがないとは言い切れないが。
例えば製造業中心で生きてると、納品物に対して重箱の角を突く人は非常に厄介である。
控え目に言って「もしかしたらそういう不良に見えなくもないかもな」っていうグレーゾーンに関しては、ご指摘いただいた内容を真摯に受け止め、修正していく姿勢を取るのが無難だ。
でもフィジカルワークの多い現場上がりの人間が窓口で、相手方の言い方が感情を逆撫でる時、真面目に一生懸命作った物に対してケチをつけられたという思いが吹き上がる。
特に「汚い」と「ダメ」のワードは、その内容を伝える入り口に「ありがとうございます」が無いと威力が倍増する。製造業と直接やりとりをされるメーカーの方々は日々激務で大変かと思うが、これくらいの気遣いをしてあげられると、工場と良い関係が保たれる可能性が高い。
まずリスペクトね。リスペクト大事。
お前一人で物作ってるわけちゃうねんって大先輩が言ってた。
あととにかく「知ってるぞ」って感じで上から大鉈振り下ろしてくる人。この世代はそろそろみんないなくなる可能性が高いけど、まだまだ存在感の強い人が多い。
彼らの習性としては、お神輿担がれたいタイプが多いので、特に実害がないなら神輿担ぐことで生きやすい環境が手に入る。これを迎合と捉えるか、戦略的処世術と捉えるかはそれぞれに任せる。
僕はあまり器用ではないので、距離をとる場合が多い。性格も悪いから、うまくやろうとしてもどっかで悪趣味な揚げ足取りをしてしまうことで自己嫌悪に陥るため、近づかない選択をとる。
そのほうがきっと、みんな幸せになれると信じてる。
器用な方はぜひ多くの方々と分け隔てなくお付き合いされた方が世界は広がるので、チャレンジしてみてもらいたい。
きっと多くの人は担がれると悪い気はしない。
重箱の角突きも、お神輿様も、お家に帰ればただの人。だからそのロールが与えられた時くらいは、わっしょいされてもバチは当たらないと思っている可能性がある。付き合うにあたっては、心に余裕と一輪の花を。