AEWが決起集会、ELITEが離脱、それでも新日本プロレスが強気でいられる理由
アメリカ現地時間で9日、大富豪カーン・ファミリーのバックアップを受けたCody、ヤングバックスによる新団体・AEW(All Elite Wrestling)の決起集会が開かれ、ハングマン・ペイジ、DRAGON GATEのオープン・ザ・ドリーム王者であるPACも参戦、CIMA率いるSTORONG HEARTSが属している「OWE」との提携、最後にビックサプライズとしてクリス・ジェリコも登場、AEWと契約し参戦を表明した。
これでCody、ヤングバックス、ペイジの ELITE、そしてジェリコの新日本プロレスからの離脱が確定したが、その中には同じELITEのケニー・オメガ、マーティ・スカルはいなかった。おそらくだがケニーは今月いっぱい新日本との契約が残り、スカルもROHとの契約が残っているためと見られている。
ELITEやジェリコの離脱は新日本プロレスにとっては手痛いかもしれない、元々ケニーの残留条件は新日本とAEWとの提携で、AEWもケニー、ヤングバックスらELITEを新日本が簡単に手放すわけがないだろうという計算だった。しかし新日本はまだ成功するかもわからない団体と提携するのはリスクが高いとして断り、これまで通りROHとの提携を選んだ。これはAEWにとっても大誤算で、当てが大きく外れる結果になった。
ハロルド・メイ社長は「新日本は大丈夫」と強気でいられるのは、ジェイ・ホワイトらBULLET CLUB、ウィル・オスプレイやジュース・ロビンソンを押し出すチャンスでもあると考えており、これ以上ELITEらを付け上がらせると現場の主導権を握りかねない。それが新日本の答えだったのかもしれない。
ケニーがELITEが抜けても大丈夫なのか?こういった時こそ新日本の組織力の強さが出る。中邑真輔が離脱しても内藤哲也が台頭する。全日本でも潮崎豪がNOAHへ戻っても宮原健斗ら若い選手、DRAGON GATEも鷹木信悟やCIMAが抜けても、若い選手たちがそのポジションを巡って争っている。プロレス団体は常にその歴史の繰り返しでもあるのだ。
ただ気になるのはAEWがいくら資金力があっても土台である組織力が備わっているのか?あまりにも調子に乗って拡大すると綻びも出てくる。ケニーが未だにAEW参戦に踏み切れない理由は案外そこにあるのかもしれない。