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【大手企業元社長曰く】「自分の立場を覆す可能性のある人物は、後任には選べないだろうね」

2016.02.21 01:35

なぜ、劉邦が天下を取ることができたかを臣下に問う。


「陛下は傲慢で人を侮ります。

これに対して項羽は仁慈で人を慈しみます。

しかし陛下は功績があったものには惜しみなく領地を与え、

天下の人々と利益を分かち合います。

これに対して項羽は賢者を妬み、

功績のある者に恩賞を与えようとしませんでした。

これが天下を失った理由と存じます」


しかし、劉邦は、言下に否定し、

「貴公らは一を知って二を知らない。

策を帷幕の中に巡らし、

勝ちを千里の外に決することではわしは張良に及ばない。

民を慰撫して補給を途絶えさせず、

民を安心させることではわしは蕭何に及ばない。

軍を率いて戦いに勝つことではわしは韓信に及ばない。

わしはこの三人の英傑を見事に使いこなした。

しかし項羽は范増一人すら使いこなせなかった。

これがわしが天下を取った理由だ。」

と答える。


これが、マネジメント、人事の極意だろう。

有能な人材を、適材適所に使う。


劉邦は決して、

各分野で最も優れた能力を持っていたわけではない。


この、人材群を見出し、

活躍させることができたからこそ、天下を取った。


天下人の極意だろう。


最近、ますます組織の力が衰えてきたところと、

ますます隆盛を極めるところの格差が出てきた。


もう取り返すことができないほどだ。

それは、なぜか?


それは、プレーヤーを監督にしたことである。


大将には、器というものがある。

その器のないものを、大将に据えると、組織は無茶苦茶になる。

「名選手、必ずしも名監督にあらず。」

優秀なプレーヤーであった上司ほど部下を見下し、

部下の方も近寄りがたく感じてしまうのですね。


優秀なプレーヤーは、

自分ががんばって結果を出すことは得意でも、

部下を取りまとめて、激励し、

組織全体で勝つと言う、マネジメントができない。


できない人の心がわからない。

これでは、皆の心が離反するだけですね。


だから、名選手を監督にするときは、

そのための訓練がいりますね。


それをいきなり監督にすると”天狗”。

あちこちに、鼻の高い”天狗”ばかりで、組織は衰退・・・

こういうことが多いのではないでしょうか?


しかし、まだこのケースは、組織のために、

優秀なプレーヤーとして貢献してきた、

実績だけでも、認めることはできる。


本人は、一生懸命で、野心的ではない。

最悪なのは、自分では何もせず、

人にやらせて、ゴマすりだけで、上司に取り入った、

連中が、大将に座ったときである。


一番の組織の不幸。

この大将の周りには、

”ゴマすり””提灯持ち””太鼓持ち””腰巾着”

と呼ばれる人ばかりになり、

組織的には末期状態になる。


この大将が、権力を持ってないとわかると、

すぐに寝返り、新しい権力者になびく。


大将の器が大事である。


ある大手企業の元社長は答えている。

「自分の立場を覆す可能性のある人物は、後任には選べないだろうね」

そして、この元社長。

長く社長を続けられる条件は、

「できるだけ長く後任を決めないこと」

だそうだ。


歴史は”勝者の歴史”であることを知らなければならない。

そのときの権力者が、すべて都合のいいように書き換える。

それが歴史だ。