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昨年度も世界一位の東京、今年の都政はどうなるか

2016.02.21 05:00

【政治・ビジネス・社会ニュース】 平成二十八年二月十七日に「平成二十八年 第一回 都議会定例会」において舛添要一 東京都知事が『知事施政方針表明』を行った。本表明は年に一回、最初の定例会で行われるモノで、その年の都政全体の基本方針を示す。東京都の都市GDP(都内総生産;名目)は、昨年度の見込みで九十二.九兆円と世界首位(東京都発表)。国別GDPでも世界十位台に位置付けるタメ、本表明は都民及び首都圏民、引いては日本国民にとって重要である。


任期三年目と折り返しに入った舛添都知事は、冒頭で使命を“成果を最大化するコト”と従前の成果主義を表した。東京を取り巻く環境に始まり、リオ五輪、東京のグランドデザイン、都の安全と安心、都民の活躍、地域力、東京五輪後のビジネス、成熟社会について1.東京の取り組みを述べた。次に2.予算、3.五輪の準備、4.少子高齢・人口減少社会への政策が続き、5.アジアにおけるビジネス中心地「TOKYO」の奪還、6.多摩・島しょ地域に至り7.纏めた。




<都知事のグランドデザインに乗る>

 中小企業にとって、重要であろうポイントは、1.東京の取り組み内の『東京のグランドデザイン』と5.アジアにおけるビジネス中心地「TOKYO」の奪還内の『中小企業の活躍を支援』である。前者は、昨年より「東京のグランドデザイン検討委員会」が定期的に開催され今月十八日に第四回が開催された。第一回では歌手の椎名林檎が都知事らに未来の東京のプレゼンを行ったコトで話題となった。テーマは各回統一で“二〇四〇年の東京”である。都知事は各界の有識者からの意見を聞き、未来の東京に向けての大掛かりな計画を策定する積りだ。中小企業は知っておくべき大事業であろう。


将来に向けて進化する東京の方向性を明確に位置づけるため、2040年代のあるべき姿をグランドデザインとして描く検討に入っております。都市づくりの分野を取りまとめ、その後、これを包括した形で、東京全体のグランドデザインを策定いたします




<中小企業を世界へ>

 後者では、五輪を契機とした中小企業の躍進を図る。四月には新発注情報のポータルサイト「ビジネスチャンス・ナビ2020」が本格稼働する。報道現在では事前利用の登録も開始している。特に舛添都知事は、医療系のものづくりに注目。医療における産学連携の支援拠点を来年度に日本橋に設ける予定だ。創業支援に関しては、ワンストップ支援を中小企業振興公社と関連民間企業で行う。海外展開に関しては、経済団体と連携し中小企業の海外都市の攻略にあたる。


舛添都知事は、成果主義だ。五輪に向けての流れを利用し、中小企業や新創業者が打って出る施策を本年に大きく講じる。再選を当然に考えているだろうが、甘い算段はないだろう。任期が二年を切っているので、都民のタメ、再選達成のタメに仕掛ける。それは都民からみて明らかな成果となるか否か。舛添都知事の施策には堅さと軟らかさがある。中小企業にとってはこれに乗る理由がある、というより躍進の可能性を大いに秘めいてるであろう。都政に注視されたい。


記者:金剛×撮影:岡本

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