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FDAが再発卵巣がん維持療法薬としてルカパリブを承認

2018.04.07 15:00

2018年4月6日、米国食品医薬品局(FDA)は、プラチナ感受性の再発性上皮性卵巣癌、卵管癌、または原発性腹膜癌の維持治療薬として、PARP阻害剤ルカパリブ(商品名:ルブラカ、米クロービス社)を承認した。

今回の承認は、プラチナ製剤ベースの化学療法で2回以上の治療歴があり、完全奏功あるいは部分奏功している再発上皮性卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がん患者561人を対象としたARIEL3(NCT01968213)試験に基づく。ルカパリブ600 mg1日2回経口投与群(372人)とプラセボ(189人)に無作為に割り付け(2:1)、疾患が進行するか毒性を許容できなくなるまで治療した。

(中略)

ARIEL3試験により、研究者らが評価した無増悪生存期間(PFS)推定中央値は、

全参加患者(PFS中央値10.8カ月対5.4 カ月,ハザード比(HR)0.36;95%信頼区間(CI):0.30,0.45;p<0.0001)

HRD群(PFS中央値13.6カ月対5.4カ月,HR 0.32;95% CI:0.24,0.42;p<0.0001)

tBRCA群(PFS中央値16.6カ月対5.4カ月,HR 0.23;95% CI:0.16,0.34;p<0.0001)

で、プラセボ群と比較して、ルカパリブ群で統計的に有意な改善を示した。

FDAは、HRD状態を判定するための腫瘍サンプルについての補足診断テストであるFoundationFocus CDxBRCAコンパニオン診断も同時に承認した。

なお、ルカパリブで治療した患者の2割以上で、悪心、(無力症を含む)疲労、腹痛/腹部膨満感、発疹、味覚障害、貧血、ALT/AST値上昇、便秘、嘔吐、下痢、血小板減少症、上咽頭炎/上気道感染、口内炎、食欲不振、および好中球減少症の有害反応が見られた。その他、骨髄異形成症候群および急性骨髄性白血病が、ルカパリブ群で372人中7人(1.9%)、プラセボ群で189人中1人(0.5%)に発生した。副作用による中止は、ルカパリブ群で15%、プラセボ群で2%だった。

ルカパリブの推奨用量は、食物の有無にかかわらず1日2回600 mg(300 mg錠2個)の経口摂取。


翻訳:そら