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みぞしょーの人生超ひまつぶしブログ

タクシー業界から見るライドシェアへのけん制とツケ

2019.01.12 04:02

いつもご覧いただきありがとうございます。


近日中にブログの引っ越しをしよう思います。知人からご指摘・エールを頂いたので、ワードプレスに移してブログ運営に挑戦してみようと思います。よろしければ引っ越し後もお付き合い頂けると幸いです。


今回の内容ですが、私は昨年12月初旬、Twitterにて『自交総連の方がライドシェアを利用した』とのレポを伺ったと発信しました。同時に私個人の見解をまとめるとの旨も発言したのですが、すみません。サボっておりました。。。


改めてここに私の見解を少々過激ではありますが記載いたします。



《自交総連とは》

みなさんまず聞いたことがない組織だと思います。偉そうなことを言ってる私も直接関与を持ったことはありません。


一言で言えば、ハイヤー・タクシー、自動車教習所、観光バス労働者の組合です。政府・国土交通省に対して「白タクを認めるな!」と要請しているのがこの組織です。


まぁ労働組合の親玉です。加盟しているタクシー乗務員(各労働組合)を守ろうとするのは当然の働きです。


私が会議などで接見を持たせて頂いていたのは自交総連とのパイプ役の方がまとめる数社の労働組合で組織した協議会でした。まとめ役の方が日本交通においてもかなりの力を持っていたので非常にためになる意見交換、勉強をさせて頂きました。


その会議の場で、自交総連の方が「実際にライドシェアを利用した」との報告がありました。「一種免許の人が運転するクルマ」と発せられたことから今ではCREWサービスを利用したのだと推測しています。


もちろん良い意味ではありません。敵情視察だったのでしょう。


その日の会議は主に各組織の会社との給与交渉における進捗状況の報告がメインだったので簡単な報告を伺っただけですが、今にして思えばCREWに対するけん制だったのでしょう。


そして私は偶然にもCREW運営の方をお乗せしたことにより、タクシー業界の嫌がらせが実際に発生していることを知ることになりました。



《タクシー業界が招いたツケ》

ここからが私の持論です。かなり過激な表現もあるかと思いますがお許しください。


タクシー業界としてはUberを始めとするライドシェ普及の動きに対して、「白タク行為に当たる」として断固たる反対を主張していました。

具体的には道路運送法違反に当たるとして法律を剣として、世論に対しては「二種免許を持たないドライバーが他人を営利目的で乗せて運行するのは危険だよ」という現実的な理論を盾として訴えてきました。


その結果はみなさんご存知の通り、Uberは『タクシーの配車アプリとしての運用でパートナーとしての立ち位置を確立する』ということで今のところは決着を見ています。


しかしこれは経済活動が集中する大都市での話であり、クルマを必要とする地方…もっと言ってしまえば過疎化が目立つ地域においては、タクシーの主張が必ずしも良い結果になるとは言えません。


それを裏付けるのが京都府京丹後市『マイカーによる自家用車タクシー営業』ですね。

しかし人・クルマ・バイク・自転車が縦横無尽に行き交い、道路も複雑極まりない東京都は比較する土台が異なるのが本音です。

気を使っているのかどこのメディアも『過疎化地域の救済』を前面に出していますが、これが実現できたのは『まぁ事故やトラブルのリスクも低いだろう』というのが本音でしょう。



そして最近は繰り返しお伝えしてばかりですが、謝礼というシステムを取り入れて道路運送法に触れないマイカー使用のライドシェア運用を実現させたのがCREWサービスです。


これにはタクシー業界もビックリしたでしょう。

マッチングシステムをフル活用した、ドライバーからしてみれば確固たる利益を望めない(予測できない)謝礼というシステムでの運用など誰が予想できたでしょうか?


しかも国土交通省より「届け出(※)は必要ない運用だ」とお墨付きまで頂いているシステム。タクシー業界は『現実的な安全面』での主張でしか世論に訴えることができなくなりました。


(※)旅客運送業を営むにはその会社・営業所は国からの許可と所属する乗務員が二種免許(自動車教習所に通います)を取得する必要があります。また、タクシーセンターで乗務員証の発行を得るために講習・地理試験を受ける必要があります。事故対策としてNASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)というところで適正診断を受けたりもします。


実質、これらの面倒くさい試験・講習・診断をスルーして、語弊を恐れず言えば『なんちゃってタクシー』を運行することができるのです。

私がCREWドライバーに勝手ながらアドバイスを記載できるのもこれらの経験と実務経験がそれなりにあるからです。


この部分がタクシー業界の言う『安全性を理由にCREW運用を否定する根拠』になります。



では現実ではどうか…というは話です。タクシー業界が招いたツケの核心をお伝えします。


あらかじめお伝えしておきますが、全てのタクシードライバーが悪いということではありません。素晴らしいドライバーが大部分を占めているのも事実です。



まずは接客姿勢『乗車拒否』という言葉があると通り、近場利用を嫌うドライバーはかなりいます。顔に出てしまうんでしょうね。私も1日1回はお客様に愚痴られていました。余程多かったのでしょう。


それとこれは利用者にも考えて頂きたいですが、客層が悪いエリアとの確執も目立ちました。

『嫌な奴がいそうなエリア』には自然と近づきたくなくなります。タクシードライバーを軽視する人間が多かったのも事実です。


余談ですが、私の目標の一つに『タクシードライバーの地位を底上げする』というものもありました。よく先輩に相談しながら周囲に訴えていたのを覚えています。


それと車内での接客応対もそうですね。遠回りされた。嫌がらせをされた。忘れ物を捨てられたor盗まれた…発生件数全てが事実ではないにしろ、相当数発生していました。私はこれらすべての案件を見ています。もちろん利用者からの無理難題な言い付けもありました。


物を捨てられた…ですが、一例としては携帯電話です。アレ忘れられると確かに面倒くさいんです。だから悪質ドライバーは例えば隅田川にポイするんです。潜ったらガラケーやスマホの一つや二つは見つかるでしょうね。



続いて安全面です…一番大事な部分ですが、これもあまり評判は良くないです。『タクシーは二種免許を持っているから安全』はついでだと思いってください。結局は『人』なのです。


特に22時以降…運賃が2割増しになる時間帯は周囲の歩行者、クルマが不安になる程テクニシャンなドライブをかます乗務員も珍しくありません。酷い人はお客様を乗せながらとんでもない運転をするのもいますのでなおのことタチが悪い。これもよく愚痴られていました。


仕方ない部分もあるのですが、駐停車問題もそうです。

一例として、六本木交差点内での悪質な駐停車については設置されているカメラで対象車両を追いかけて駐停車違反で摘発しています。これも六本木交差点においていい加減な運用をしているから対策を取られてしまいました。


そして事故です。毎日警視庁より昨日の交通事故件数・死亡者数の発表がありますが、『タクシーが絡む交通事故』の件数は公表されません。実際に私は警視庁に問い合わせたのですが、「そのような統計は存在しない」と煙に巻かれてしまいました。いやいや。あるでしょ。


東京を駆け回っていた私はよく交通事故を目撃していましたが、少なく見ても4~5割前後はタクシーが絡んでいました。それが実車か空車か回送か…それはわかりませんが、「タクシーが絡む事故が多いな」という印象が未だに拭えません。



最後に挙げられるのが車両の性能です。最近でこそトヨタのJPN TAXIが当たり前のようになりましたが、今でも従来のクラウンが多いのも事実です。


当時はよく個人タクシーと比較されていました。単純な車両性能では個人タクシーには到底及ばなかったのです。

私も「同じお金を払うなら個タクがいいですよ」と半ば自虐的に伝えていたこともありました。



…その個タク並みのクオリティを持つ車種、あるいはそれ以上の車種で走り回っているのがCREWドライバーにもいるのです。そういうクルマに乗ってみたいと一般消費者が思うのも自然の流れです。謝礼額は別として。


(結果的に)値段も安い、ドライバーもいい人ばかり、中には高級車と呼ばれるクルマも走っている。何を重要視するかにもよりますが、自然と流行るのは必然というわけです。


タクシー会社は企業なので利益を求めます。当然コストを削減するためにあらゆる手段を講じるわけですが、コストカットが車両の質、乗務員の質に影響を与えてしまったのは間違いありません。


この時期はスタッドレスタイヤを履かせる会社も多いと思いますが、全輪に履かせている会社もあれば駆動輪のみに履かせている会社もあります。加えてチェーンを積んでいる会社もあるでしょう。


全てが悪いというわけではありませんが、その波は当然利用者にも押し寄せ、結局は自分たちの首を絞めてしまった…というのが巡り巡ったタクシー業界のツケなのです。


ですがタクシー業界の主張も理解できます。


・一種免許を取得して3年以上が経過しているにも関わらずほぼ一から講習を受け直し、運転免許試験も受ける。つまり教習所に通い卒業して試験場に赴くのです。

・タクシーセンターで講習を受けながら地理試験を受ける。

・NASVAで適性診断を受けて自己診断、営業所でヒアリングを行う


これらの過程を経てようやくタクシードライバーとして現場にデビューできるわけですので、私も『プロ』としてその主張は理解しているつもりです。


ただ…あまりにも質が悪すぎた。悪いイメージというのはより大きく広がるもの。ドライバー自身からも「給料に見合わない」という声も発せられているのでイメージの悪化に拍車をかけていました。


小泉政権時代の規制緩和により、タクシー会社が増えすぎたことも無関係ではないでしょう。


ですのでタクシー業界関係者がCREWサービスを利用して0円ライダーとなることでCREWに対して嫌がらせをする…というのも理解はできます。逆に言えばこの程度のことしかできないのです。


もちろんタクシーを100%信頼してくれているお客様もまだまだ存在しています。それは間違いありません。



結局のところ選ぶのは消費者です。選ばれるために様々な思考を巡らせているわけですが、個人的には現場で活躍している乗務員のことを考えられないようじゃ負けてしまうでしょう。それは自交総連が悪いわけではありませんが、国に正当性を訴えても利用者に届かないようでは結果は見えてしまうというわけです。


そしてCREWはCREWで弱点を晒してしまったわけですので、今は自分たちが優位などと思わず、信頼を取り戻し選ばれるためにはどうすれば良いかを常に考える必要があるでしょう。