こういうのを待っていた
仮面ライダーガヴ6話感想
*ネタバレが含まれるので、未視聴の方は自己責任でご覧ください。
いやいやこういう展開を待っていたんですよ。
昨今の仮面ライダーが嫌いというわけではないんですけど、令和ライダーには、昭和ライダー的なテイストが欠けすぎていたように思うんですよね。仮面ライダーは本来、改造人間、すなわち、人ならざる者なんです。その意味で、心に傷を負いながら手術を受ける絆斗の様子は、昭和ライダーを想起させるものでした。母を亡くした辛い境遇にいる絆斗を更に苦しませる制作陣、趣味が悪いですね(褒め言葉)
仮面ライダーヴァレンの登場は、制作発表で知っていましたが、まさかこんな形での登場になると誰も予想できなかったでしょう……
登場時から、なにか裏の顔があるのではないかと一部のファンから疑われていた絆斗の師匠・塩谷がこんなにも早く退場するとは私も予想できませんでした。
日曜朝という時間帯に配慮して、アクスタ割れという表現にとどめていることが目の前で起きていることの悲惨さを柔らげることで視聴者の感覚を麻痺させ、「本当に退場なの?」と時間差で絶望させるのは皮肉なもんです。
母親をグラニュートに連れ去られ、ただでさえ辛い思いをしているのに、親代わりの師匠をグラニュートに殺されるどうしようもなさ、何もすることができなかった無力さ、師匠の仇をとりたいという気持ちと何が起こるか分からないリスクと引き換えに手術を受け入れることの間で葛藤する絆斗の演技は、見ていて引き込まれそうになりました。日野友輔さんの演技が実に素晴らしかった。塩谷役の小松さんが準備してきたのが分かる芝居だったとXで仰っていましたが、視聴者からしても感情移入できる演技でした。
苦しみながらの初変身。ただ復讐心に突き動かされ、ひたすら痛みに耐え、グラニュート・オタケを倒した絆斗。心の傷も体の傷も抱えている中での強烈な初変身でした。
さて、今回のエピソードを踏まえて、今後気になる点がいくつかありますね。
①酸賀研造の思惑
いまだに素性が明かされず、謎が多い酸賀。生前の塩谷は「詳しいのが逆に怪しい。」と疑っていましたが、まさにどうやってグラニュートの情報を得たのか気になります。一番考えられるのはストマック社の誰か(おそらくニエルブ)と通じている可能性です。もしそうであるとしたら、なぜ手を組んでいるのかという疑問に突き当たります。
少なくとも「グラニュート退治がしたい。」という酸賀の言葉は現時点では信じられませんね。絆斗を通じて実験したいだけにも見えます。酸賀の謎が今後解明されるのを待ちます。
②ニエルブの動向
赤ガヴ=異母弟ショーマが、バイトのグラニュートを倒しているのを把握していた次男・ニエルブ。「刺激」と本人は言っていましたが、そんな理由で見逃すはずがありません。デンデの弟子という関係性から、デンデやデンデの記したデータからショーマの体について情報を得ていてもおかしくはないです。ショーマを使って何かをしようと企んでいるのでしょうか?
また、マスクの色から塩谷を消すようオタケに指示したのがニエルブのエージェントであるのは確実なので、当然ヴァレン=絆斗にとっては因縁の相手となりそうです。
③なぜ塩谷は消されたのか?
ショッキングな展開で忘れそうになりますが、なぜ塩谷は消されてしまったのかという謎が残ります。
1.グラニュートに関して不都合な情報を握っていた。
2.絆斗を仮面ライダーにするために消された。
1の可能性を追う場合、塩谷とグラニュートが無関係とは考えられません。しかし、塩谷とグラニュートの関係を明示する描写はないので、あまりこの線は追えないかなという印象です。この感じの鬼畜脚本なら、衝撃の事実として塩谷の裏の顔みたいなのが明かされて絆斗を絶望させる展開もフツーにあり得ますけどね笑
2の可能性を追う場合、ニエルブと酸賀が結託していることが前提となります。ニエルブが塩谷を消し、酸賀が絆斗を焚き付ける。ニエルブと酸賀は、ある目的のために手を組み、ショーマ=ガヴと絆斗=ヴァレンを通じて実験をしているということも考えられます。
④ガヴとヴァレンの絡み
この2人の絡みが今後どうなるのかというのも注目ポイントでしょう。正体を知らない2人が交わるとき、どんなことが起きるのか、目が離せません。
仮面ライダーガヴ、来週こそはリアタイしたい(切実)