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「古志」福岡句会を終えて(9月)

2024.10.07 21:00

9月29日(日)は「古志」福岡句会でした。

会場は福岡市立早良市民センター

特選句からいくつか。


咲き継ぐや金印の地の曼珠沙華   前田悠


はるか卑弥呼の時代からこの地に咲き継ぐ曼珠沙華。


言うまでもありませんが、金印の地とは志賀島のこと。


金印は志賀島の畑で発見されました。


曼珠沙華というと、彼岸花のイメージがありますので、


すぐにあの世と結びつけて詠んでしまいがちですが、


この句はそんな連想・理屈からは自由であり、


ゆえに読者は曼珠沙華を生きいきとイメージすることができます。


同時にこの地に代々生き継ぐ人びとの姿もまた、


一句の背後に立ち上がってきます。


福岡ならではの句でした。


秋暑し五臓六腑に不老水         斉藤真知子


香椎にある不老水。名水百選にも選ばれています。

もちろん、飲んだところで不老長寿になるわけではありませんが、


歴史的な名水ですので、この秋のたいへんな暑さのなか、


いっそうありがたく、いっそう身に染みわたることでしょう。


ただの名水というだけでなく、


人の煩悩をくすぐる〈不老水〉であることから、


とぼけた味わいが一句に生まれています。


つづきはまた明日。


どうぞよき一日をお過ごしください。