Outlawシリーズ スタビライザーについて #1
皆さんいかがお過しでしょうか?
開発担当の杉本です。
最近になってようやく気温が下がってきましたね。下がってきたと思ったら一気に肌寒いくらいになる日もあるので、皆様体調管理には気をつけてお過ごしください。
さて、私のブログ担当回では定番になりつつあるOutlawシリーズ、今回はスタビライザーについてお話したいと思います。長くなりそうなので二回に分けてお話します😊
一回目はスタビライザーそのものについてのお話です。
Outlaw Rampage Proのキットには標準で前後にスタビライザーを搭載できるようになっています。走行環境に応じてスタビライザーの効きを調整できるように、前後それぞれ3種類の太さ違いのスタビライザーバーが設定されています。半完成済みシャシーには標準硬さのバーがすでに組み込まれています。
スタビライザーの形はこんな感じ。
フロントはくの字のような形状で、リヤは一本の棒になります。
フロント側、取説15ページ
リヤ側、取説30ページ
スタビライザーバーはシャシー側にマウントされており、自由に回転できる状態で取り付いています。そしてバーの両端が左右のサスアームに取り付いています。
ここでスタビライザーの有り無しで左右のタイヤがどのように動くのか見てみましょう。
※写真では動きをわかりやすくするようにダンパーを外してあります。
これが両方のタイヤが路面から浮いた状態。写真は車体を正面から撮影しています。
まず、スタビライザー無しの状態から見てみましょう。車体進行方向から見て右側のタイヤを持ち上げていきます。走行状況で考えると、左旋回でシャシーが右に傾いているときと同じような状況です。
ここでは左右のサスアームはスタビライザーバーで繋がれていないので持ち上げた方のサスアームだけが動きます。右タイヤを持ち上げても左タイヤはだらんと垂れたままですね。
次に、スタビライザー有りの状態を見てみます。スタビライザー無しの時と同様に右タイヤを上げていくと、今度は左のサスアームもスタビライザーバーの回転に従って持ち上がります。
ただ、写真をよく見ると右タイヤを持ち上げた時の左タイヤの持ち上がり量は同じではなく、若干少ないことがわかります。
これはスタビライザーバーのしなりが原因で起こります。左右のサスアームに繋がれたスタビライザーバーが、手で持ち上げた方とは反対側のサスアームに回転を伝える際、バー自体がしなるため左右のタイヤで持ち上がり方に差が出ます。バーの線径を細くしたり太くしたり(=硬さを柔らかくしたり硬くしたり)することでこの持ち上がり量を増やしたり減らしたりできます。スタビライザーバーが無い場合、この差は最も大きくなります。
この差が大きいほど車体がロールするので、コーナーリング中に外側のタイヤに対してシャシーの荷重を載せることができ、タイヤが本来持つグリップをより多く使うことができます。これが取説で説明されている「ロールを増やすとグリップが上がる」「ロールを減らすとグリップが減る」という話の背景になります。
多くロールさせた方がより多くの荷重をタイヤに載せることができるので、速くコーナーリングできて良いのではないかとも思いますが、これにも限界があります。
ロールさせすぎると今度は車体が旋回スピードに耐え切れず、傾いて横転に繋がってしまいます。また左右ステアリング切り返しの際、車体がロールをしすぎることでステアリング操作に対してシャシーの動きが遅れてついてくるような状態、全体的に動きが鈍くなるような傾向になりますのでロール量にもある程度のバランスが必要です。
同じタイヤでも走行路面や環境によってタイヤが発揮できるグリップは異なりますので、このOutlaw Rampage Proのキットには、前側は1.8/2.2/2.6mm、後ろ側は2.2/2.6/3.0mmのスタビライザーが設定されています。この組み合わせを変えたり、スタビライザー自体を取り外すことでそれぞれの走行環境に適した走行性能を得ることができます。
話が少し長くなりましたので本日はここまでとなります。次回は実際にスタビライザーの有無や線径を変化させ、それぞれ走行特性について書こうと思いますのでお楽しみに!
最後に…
今週末はいよいよ第62回全日本模型ホビーショーが開催されます!
東京ビックサイト南1・2ホールで開催しておりますので、ご都合が合う方はぜひお越しください!お待ちしております😊
京商ブースの特設Webサイトもありますのでご覧ください!
それでは、本日は以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。