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姫蔓蕎麦の句

2024.10.12 10:39

天高し姫蔓蕎麦の零れ咲く  五島高資


https://ameblo.jp/yujyaku/entry-12496081250.html 【短日の蕎麦屋のそばに姫蔓蕎麦】より

短日の蕎麦屋のそばに姫蔓蕎麦( たんじつの そばやのそばに ひめつるそば )

最近、金平糖のようなピンクの丸い花で、道端や壁際を覆っている植物をよく見かける。名は「姫蔓蕎麦(つるひめそば)」。

蓼(たで)の仲間なのだが、色も形も可愛い感じなので、除草されることもなく放置されているようだ。実のところ、かなり前から咲いているのだが、今は花の少ない時期だけによく目立つ。

本日の掲句は、そんな草花が蕎麦屋さんの入り口付近に繁茂しているのを見て詠んだ句である。

「そば」をならべた駄洒落句だが、これが想像して詠んだものであれば、多分「あ、そう」で終わると思う。

しかし、現実にそんな場面があったことを知っていただければ、「へぇ、そう~」と思って貰えるのではないか。そんなことも考えながら写真とともに掲載した。

尚、「姫蔓蕎麦」は季語ではないので、上五には「短日」をおいた。これは、日暮れが早く、昼が随分と短く感じられる冬の日の感覚を表した冬の季語。

因みに、「姫蔓蕎麦」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。

【関連句】

① 秋の野に姫蔓蕎麦の褥かな

② 踏み石に毛布の如く姫蔓蕎麦

③ 姫蔓蕎麦冬の疏水を彩りぬ

①は、秋の野の一画に繁茂した姫蔓蕎麦を詠んだもの。沢山の花が一斉に咲くとピンク色のカーペットを敷いたようになる。*褥(しとね):座るときや寝るときに下に敷く物。

②は、あるお宅の玄関前に置いてある踏み石を、温かい毛布でくるむように咲いている様子を見て詠んだもの。

③は、近くの疏水岸の石積を被うように、繁茂しているのを見て詠んだ句。ピンク色の花と紅葉した葉が、荒涼とした雰囲気を幾分か和らげていた。

姫蔓蕎麦は、タデ科イヌタデ属の蔓性常緑多年草。ヒマラヤ地方原産で、日本にはロックガーデン用として明治中頃に渡来した。赤まんま=犬蓼(いぬたで)の仲間で、ピンク色(淡紅色)の小さい花が毬のように集まって咲く。

花期は5月頃~12月頃と非常に長いが、真夏には花がいったん途絶える。また、葉にはV字形の斑紋があり、秋には紅葉する。名前は、蔓蕎麦(つるそば)の花に似ていて、小さいことからついた。別名はポリゴナム。

「姫蔓蕎麦」を詠んだ句がほとんどないので、参考句として「短日」を詠んだものをいくつか掲載した。

【短日の参考句】

短日をほどよく動き日記書く   (阿部みどり女)

短日の何せむとして道に出し  (長谷川双魚)

短日や五時と約して電話切る  (星野立子)

短日の貨車押しあひつつ停る  (木下夕爾)

短日の沼の反射の一走者    (藤田湘子)


https://ameblo.jp/yujyaku/entry-12776285002.html 【小春日の露地に群れ咲く姫蔓蕎麦】より

小春日の露地に群れ咲く姫蔓蕎麦( こはるびの ろじにむれさく ひめつるそば )

近辺では、木々の紅葉が最高潮を迎えており、それをゆっくり見ながら歩く人も多く見かける。一方、秋に盛んに花を咲かせていた草花は、今や影も形も見られなくなったものがほとんどなのだが、そんな中でも所々で見かける草花がある。

その草花の名は「姫蔓蕎麦(ひめつるそば)」。数mmの小花が集まって直径1cmくらいの真ん丸の集合花を形成し、地を覆うように花を咲かせる。

一見、絨毯を敷いたようにも見え、冬の荒涼とした景に潤いを持たせてくれているような気がする。

本日の掲句は、その「姫蔓蕎麦」が、ある露地の一角を覆うように群生して花を咲かせているのを見て詠んだ句である。尚、この花の花期は非常に長く季語になっていない。従って、掲句では「小春日」という冬の季語を上五においた。

*小春日: 冬の初め頃(11月上旬~12月上旬)の暖かく穏やかな日。小春日和ともいう。

因みに「姫蔓蕎麦」については、近所でもよく見かけるので、これまで10句ほど詠んでいる。以下には、特に冬に詠んだ句をいくつか選んで再掲した。

【関連句】

① 姫蔓蕎麦冬の疏水を彩りぬ

② 短日の蕎麦屋のそばに姫蔓蕎麦

③ 年の瀬の家を潤す姫蔓蕎麦

①は、近くの疏水岸の石積を被うように、繁茂しているのを見て詠んだ句。ピンク色の花と紅葉した葉が、荒涼とした雰囲気を幾分か和らげていた。

②は、蕎麦屋さんの入り口付近に繁茂しているのを偶然見て詠んだ句である。「そば」をならべた駄洒落句でもある

③は、年の瀬に、ある家の玄関先から土塀にそって、家を囲むように繁茂しているのを見て詠んだ句である。

「姫蔓蕎麦」は、タデ科イヌタデ属の蔓性常緑多年草。ヒマラヤ地方原産で、日本にはロックガーデン用として明治中頃に渡来した。赤まんま=犬蓼(いぬたで)の仲間で、ピンク色(淡紅色)の小さい花が毬のように集まって咲く。

花期は5月頃~12月頃と非常に長いが、真夏には花がいったん途絶える。また、葉にはV字形の斑紋があり、秋には紅葉する。名前は、「蔓蕎麦(つるそば)」の花に似ていて、それより小さいことからついた。別名はポリゴナム。

尚、植物名の「姫」は、花がお姫様のように可愛らしいということでなく、花の形があるものに似ていて、それよりも小さいという意味で付けられることが多い。(必ずしも同類のものでない。)

「姫蔓蕎麦」を詠んだ句がほとんどないので、参考句として「小春日」を詠んだものをいくつか掲載した。

【小春日の参考句】

小春日のしづかにしづかに暮れゆけり /山口青邨

小春日のきな臭きまであたたかし /上村占魚

小春日にさそはれ降りし無人駅 /相馬遷子

小春日が一片の雲もてあそび /鷹羽狩行

小春日のやさしく両の耳朶にあり /上野泰


https://mokuenn.jugem.jp/?eid=567 【姫蔓蕎麦】より

 先日、佐倉ふるさと公園に行ったとき、印旛沼の辺をあるいていると、可愛らしい紅色の花の草を見付けました。最初は、「赤のまま」かと思ったのですが、よく見ると少し違うようです。スマホで撮影して画像検索にかけると、どうやら「ヒメツルソバ」らしいのです。11月頃に咲いて、花言葉は「愛らしい」ですが、季語としては所収されていないようです。でも、どんな花も季語として成立しますから、何とか句にしてみたいですね。

姫蔓蕎麦

姫蔓蕎麦(ひめつるそば)

                           

  あら草に姫蔓蕎麦の花明り     昌文

  初恋は姫蔓蕎麦の花の頃      〃

  誰が為の姫蔓蕎麦の花飾り     〃

  紅色の姫蔓蕎麦と君の頬      〃

 姫蔓蕎麦は、色づく前は白色で、やがて、可憐な紅色になるみたいです。中々、良い俳句は詠めませんが、純粋さを感じる花でした。