[見どころ!]中谷潤人 vs.ペッチ・ソー・チットパッタナ
10月14日(月=祝)有明アリーナ
WBC世界バンタム級タイトルマッチ
王者・中谷潤人(M.T)
vs.
挑戦者 ペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ)
中谷=1998年1月2日、三重県出身の26歳。左ボクサーファイター型。戦績:28戦全勝(21KO)
ペッチ=1993年11月20日、タイ出身の30歳。左ボクサーファイター型。戦績:77戦76勝(53KO)1敗
サウスポー対決!
総合力で勝る中谷有利は不動
今年2月、3階級制覇を成し遂げたWBC世界バンタム級王者の中谷が、7月の初防衛戦を経てV2戦に臨む。挑戦者のペッチ(本名=タサーナ・サラパット)は以前、ペッチ・CPフレッシュマートのリングネームで活動し、2018年12月には井上拓真(大橋)とWBA暫定世界バンタム級王座を争って12回判定負けしている。近い将来の統一戦に向け、中谷がどんな戦いを見せ、どんな結果を出すのか注目される。
身長173㎝、リーチ174㎝の中谷はバンタム級でも大柄で、その利点を生かして遠い距離から右ジャブを突き、タイミングや角度、軌道の異なる左ストレートを打ち込むことができる。接近戦でも右フックや左右アッパーなど攻撃は多彩だ。2月にはタフで鳴らしたアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)を顔面への左で倒し、7月の初防衛戦ではボディへの左ストレート一発で指名挑戦者に10カウントを聞かせた。サウスポーとの対戦は8度目の世界戦で初めてとなるが、恒例となったアメリカ合宿で1ヵ月に160ラウンドのスパーリングをこなすなど準備は万全だ。
ペッチは2011年3月のプロデビューから13年半に77度もリングに上がっているベテランで、対戦相手のほとんどが無名選手とはいえ井上に敗れた以外はすべて勝利という驚異的な勝率を誇る。2019年以降は28連勝(20KO)中だ。上体を振りながら圧力をかけて左ストレートやアッパーを狙うことが多く、構えを右にスイッチすることもある。
サウスポー同士の対戦ということで、まずは右のリードパンチの交換に注目したい。ここで中谷が早々と差し勝つようだと王者ペースとなり、中盤を待たずに勝負が決する可能性も出てくる。顔面への左ストレート、ボディへの左フックが効果を発揮しそうだ。ペッチが中谷の右をかい潜って距離を詰める展開に持ち込めれば好勝負が期待できるかもしれない。(原功)